東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は過熱感を警戒した売りに押され7日ぶりに反落となりました。日経平均は42円安の23,135円で寄り付くと朝方に7円高とプラスになる場面もありましたが、上値は重く直ぐにマイナスに転じると節目の23,000円を割り込んで10時過ぎには244円安の22,933円まで下落しました。23,000円を回復し147円安の23,030円で前場を終えた日経平均は142円安で後場をスタートさせると12時50分過ぎに再び215円安の22,962円まで下げ幅を広げました。しかし、日経平均は前場の安値を割り込むことなく下げ渋るとその後下げ幅を縮め結局87円安の23,091円で取引を終えています。

一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日続伸となっています。

2.個別銘柄等

ホームセンター大手のアークランドサカモト(9842)が急伸し15.1%高となりました。アークランドサカモトが実施するTOB(株式公開買い付け)に応じLIXILグループ(5938)がホームセンターを運営する上場子会社のLIXILビバ(3564)の保有株をすべて売却すると伝わったことで業容拡大への期待から買いを集めました。LIXILグループは変わらずとなり、LIXILビバは3.2%高となっています。

また、同じく急伸したのが調剤薬局大手のクオールホールディングス(3034)で新型コロナウイルス感染者が滞在した部屋を消毒するオゾン発生器を医療機関向けに発売したと報じられたことで13.3%高となりました。古河電池(6937)も急伸しストップ高となりました。古河電気工業(5801)と共同で従来のリチウムイオン蓄電池に比べ消費電力量当たりの単価が低く、トータルコストを半分以下に抑えることができるという次世代型蓄電池を開発したと発表したことが材料視されました。古河電気工業は0.3%高と小幅に上げています。

一方で円高を嫌気して自動車株が安く、なかでも日産(7201)が4.8%安、マツダ(7261)が3.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は反落となりました。昨日の米国市場でダウ平均が460ドル以上上げ、ナスダック総合指数がおよそ3カ月半ぶりに史上最高値を更新したにも関わらず売りが優勢でした。昨日時点で25日移動平均線との乖離率が10.2%と10%を超えていただけにさすがにさらに買い上がるのは難しかったと思われます。一旦はスピード調整が必要ということなのかもしれませんが、23,000円台を維持して終わるところが今の地合いの堅調さをあらわしているといえそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)