東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は先週末発表の米雇用統計の改善を受けた米国株高を好感して6日続伸となり、日経平均が節目の23,000円を回復しました。日経平均は258円高の23,121円で寄り付くと取引開始から15分弱で299円高の23,163円まで上昇しましたが、10時20分過ぎには164円高の23,028円まで上げ幅を縮めました。しかし、23,000円を割ることなく踏み止まると212円高の23,075円で前場を終えました。260円高でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に290円高余りまで買われた後一旦伸び悩みましたが、引けにかけて強含み一段高になると結局314円高の23,178円と高値引けで取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに続伸となっています。

2.個別銘柄等

米長期金利の上昇を受けてメガバンクや生保株が買われました。3メガバンクでは三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が4.5%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が4.5%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)が5.0%高となりました。生保株では第一生命ホールディングス(8750)が6.5%高、T&Dホールディングス(8795)が5.6%高となっています。

また、米雇用統計が予想に反して改善し雇用者数が大幅に増加したことから米国で求人情報専門の検索エンジンを運営しているインディードを子会社として持っているリクルートホールディングス(6098)が4.8%高となりました。さらにgumi(3903)が17.0%上昇しストップ高となりました。2020年4月期の業績予想を既存の主力タイトルに加え、新タイトルが好調で上方修正したことが好感されました。

一方で2020年4月期の業績予想を下方修正したことで売られたのが伊藤園(2593)で、米国のコーヒー豆製造販売会社の競争激化により減損損失を計上したことや、新型コロナウイルス感染拡大に伴い飲食店事業の営業自粛などが響いたことなどで当期純利益の見通しを従来の142億円から77億円へと引き下げたことで4.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は続伸となり2月21日以来およそ3カ月半ぶりに節目の23,000円を回復しました。さらに314円高で高値引けとなり引き続き力強い終わりとなりました。そのため明日以降の展開に期待が膨らみます。しかし、この結果25日移動平均線との乖離率は10.2%と10%を上回っています。こうしたなかで明日もさらに上値を追うことができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)