東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株高を受けて4日続伸となりました。日経平均は271円高の22,885円で寄り付いた直後に294円高の22,907円と22,900円台に乗せましたが、寄り付き直後を高値にその後は上げ幅を縮める展開となりました。11時15分ごろにマイナスに転じ45円安の22,568円まで下落した日経平均は17円高の22,631円で前場を終えたものの、後場を80円安でスタートさせると後場寄り直後に111円安の22,501円まで売られました。節目の22,500円を前に踏み止まった日経平均は14時15分に122円高まで持ち直しましたが朝方の勢いはなく結局81円高の22,695円で取引を終えています。
一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに続落となっています。
2.個別銘柄等
内田洋行(8057)が16.5%上昇しストップ高となりました。昨日の取引終了後に発表した第3四半期の営業利益がパソコンを使った学校向け教育システムが伸びたことや、大手企業向けの業務用クラウドサービスの採算が向上したことなどから前年同期比で2.3倍と急拡大し、通期の営業利益の見通しを上方修正したことが好感されました。また、スカパーJSATホールディングス(9412)も2020年3月期の利益予想を販売管理費などの減少で上方修正したことで4.9%高となっています。さらにヤクルト本社(2267)は国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで4.9%高となりました。
一方で2021年夏の東京五輪・パラリンピックについて政府と大会組織委員会が開催方式の簡素化を選択肢の1つとして検討していると伝わったことでオリンピック開催により恩恵を受けるとみられていた電通グループ(4324)が3.0%安となりました。レオパレス21(8848)も2020年3月期の最終損益を803億円の赤字に下方修正したことや、全社員の15%強にあたる1,000人規模の希望退職者を募ると伝わったことで急落し13.6%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は大きく上昇して始まりましたが上げ幅を縮め81円高となりました。日経平均は昨日に続いて本日も25日移動平均線との乖離率が10%を超えてきたところで上値が押さえられました。そのため乖離率10%を超えてこれ以上買い上がるのが難しいとの見方が出て失速したとみられます。依然として短期的な過熱感が強いなかでスピード調整が必要ということなのかもしれません。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)