東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米中の貿易摩擦への懸念が和らいだことで反発し、日経平均が節目の22,000円を回復しました。33円高の21,910円でスタートした日経平均は取引開始からおよそ10分後に節目の22,000円を上回るとさらに上げ幅を広げ11時過ぎに283円高の22,161円まで上昇しました。257円高の22,135円で前場の取引を終えた日経平均は216円高で後場の取引をスタートさせると14時過ぎに22,000円を割り込み67円高の21,944円まで上げ幅を縮めました。しかし、まもなくして22,000円を回復するとその後は22,000円を上回って推移し結局184円高の22,062円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が続伸となり節目の1,000ポイントを回復したほか、日経ジャスダック平均も12連騰となっています。

2.個別銘柄等

先週末の米国市場で米中の貿易摩擦への懸念が和らぎ半導体株が買われ主要な半導体関連株で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が2%を超える上昇となった流れを引き継ぎ日本市場でも半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が4.4%高、SCREENホールディングス(7735)が4.7%高、アドバンテスト(6857)が5.8%高、ディスコ(6146)が4.8%高となっています。

また、東洋製缶グループホールディングス(5901)が6.9%高となりました。先週末の取引終了後に発表した決算では営業利益が前期比で2割近い減益となる見通しを公表しましたが、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で自宅での飲酒の機会が増えアルコール飲料向けのアルミ缶の需要が拡大していることからアルミ飲料用缶の製造設備を増設すると発表したことが好感されました。同じく先週末の引け後に決算を発表した日立(6501)も3.6%高となりました。4割を超す営業減益の予想を発表しましたが、成長分野のIoTサービス事業の売上高が12%増の1兆1600億円になる見通しを発表したことが好感されました。

さらにニトリホールディングス(9843)が1.9%高と堅調でした。20,000円の大台まであと50円に迫る場面もあり2018年6月19日に付けた上場来高値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は反発し節目の22,000円をおよそ3カ月ぶりに回復しました。14時過ぎに一時22,000円を割り込む場面もありましたが、そのまま22,000円を割り込んで終わらないところが今の相場の堅調さをあらわしているのかもしれません。今週は短期的な過熱感が一段と強まるなかでここからさらに上値を追う展開がみられるか注目されますが、仮に一段高となった場合には先行した日経平均に続いてTOPIXも200日移動平均線(1,577.40ポイント)を回復できるかがポイントとなりそうです。

なお今晩は日本時間の11時に5月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。前回の41.5から改善が見込まれていることもあってマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)