東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて4日続伸となりました。193円高の21,612円で寄り付いた日経平均はじりじりと上げ幅を広げるなか10時半過ぎに一段高になると11時20分過ぎに483円高の21,902円まで上昇し429円高の21,849円で前場を終えました。359円高でスタートした後場は13時前に161円高の21,580円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと引けにかけて一段高となり引け間際に507円高の21,926円まで上昇し本日の高値を付けました。結局、日経平均は497円高の21,916円と本日の高値圏で取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が反落となった一方で、日経ジャスダック平均は小幅に10日続伸となっています。

2.個別銘柄等

日産自動車(7201)が8.2%高と急伸しました。仏ルノーと三菱自動車工業(7211)を加えた3社連合が競争力と収益性を高める新たなアライアンスの取り組みを発表したことで部品の共通化などでコスト削減が進むとの期待が高まりました。三菱自動車工業も6.4%高となっています。

また、経済正常化への期待が高まるなかで景気敏感セクターへの買いが目立ちました。なかでも鉄鋼株が大きく上げ日本製鉄(5401)が5.7%高となり、JFEホールディングス(5411)も5.6%高となっています。さらに決算に反応したのが昨日の取引終了後に決算を発表したリクルートホールディングス(6098)で7.0%高となっています。2020年3月期の営業利益は前期比7.7%減となり、2021年3月期の業績予想についても未定としましたが、4月中旬頃より売上収益の下落が一段落し安定の兆しが見え出したとの会社側の説明を受けて収益の底入れ期待から買いが優勢となりました。昨日の引け後に第1四半期の決算を発表した電通グループ(4324)も営業利益が前期比2.6倍となったことで急伸し16.4%高となっています。

一方で本日の12時半に決算を発表した東レ(3402)が後場に下落に転じ0.7%安となりました。大幅な減益が見込まれる2021年3月期の業績予想に加えて減配の見通しを発表したことが嫌気され一時は3.7%安となる場面もありました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は500円近く上昇し200日移動平均線(21,656円)を回復しました。昨日時点での日経平均の25日移動平均線との乖離率が6.6%まで広がり、東証1部の騰落レシオも131.5%まで上昇するなど短期的な過熱感が高まるなかでも200日移動平均線をしっかりと超えてきました。経済活動が再開されるなかで地合いが大きく好転しているといえそうですが、過熱感が一段と高まるなかでこのままの上昇スピードを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)