4月21日の当コラム「当面は新興株優位か」の中で少しだけ、NYダウ平均の上値のフシについてご紹介しました。

NYダウ平均は、2月高値から3月安値までの半値戻し(23,890ドル)をクリアしたことで、次は半値戻しよりも重要な水準(フシ)がある。それは2月28日安値であり、2019年6月3日の安値でもある24,680ドル付近であるということです。どんなに強気ムードであっても不思議と止まってしまうのが、フシと言われる水準です。

4月29日高値24,764ドル、5月18日高値24,708ドルも、上述したフシを意識したものと認識しています(多少は前後のフレがありますが)。実は、2018年の年初から遡れば、24,680ドル付近は重要なフシであることがわかります。

― ここからNYダウ平均のチャートをご覧になれる方は、ぜひともチャートを見ながら読んでください。

2018年1月高値26,616ドルから同年2月安値23,360ドルまでの中値(中心水準)は24,988ドル。2018年10月高値26,951ドルから同年12月安値21,712ドルまでの中値は24,331ドル。両方の計算で出した価格の中値が24,659ドルです。

2019年に入り、4月高値から2,000ドル程度の大幅調整局面がありましたが、底打ちした水準は6月3日安値24,680ドルでした。この時点で、2018年以降の相場の均衡点ではないかと疑えます。

今年、史上最高値となった2月12日高値29,568ドルからの急落時で最初に下げ止まったのは、2月28日安値24,681ドル。当時はそこから大幅に戻しましたが、結局、3月23日には18,213ドルと、史上最高値から2月28日安値24,681ドルまでの下げ幅のさらに倍返しの下げをくらう格好となりました。

2020年5月26日現在、上値が重くなっています。24,680ドル付近のフシを明確に上回ると、26,600ドル付近まで上値が伸びる可能性があります。4月29日高値24,764ドルから5月14日安値22,789ドルまで1,975ドル下げていますから、その下げ幅の倍返しの上げで26,739ドルとなり、一応、26,600ドルを狙える準備(調整幅で)をしている、と思ってみています。一方、ここで頭打ちになるシナリオなら、比較的大幅な調整が生じる可能性もあります。調整幅が大きく勢いが強くなれば日経平均の調整も免れないと思います。

さて、日経平均は5月25日に重要な変化日を迎えました。1月17日高値から3月19日安値までの「43」日の対等日柄(変化日)が25日に到来したのです。日経平均はパターン分析でも、そろそろ上下どちらかに大きく動くタイミングのようにみえます。

もし、3連休明けのNYダウ平均が何か悪い材料で下げた場合、6月相場は調整月の方向で展開することが考えられます。ですが、NYダウ平均が上昇で迎えた場合、日経平均は25日で黄金分割比率(61.8%)の戻り21,150円を達成しており、次は2/3戻りの21,530円~21,850円(背反値)を目指す可能性が高まることになります。