東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は経済活動再開への期待などから3日ぶりに大幅反発となりました。265円高の20,653円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で324円高の20,713円まで上昇したあと朝方の買いが一巡すると10時半過ぎに195円高の20,584円まで上げ幅を縮めましたが、持ち直すと294円高の20,682円で前場の取引を終えました。302円高の20,690円でスタートした後場の日経平均は大きく押すことなく20,700円近辺で堅調に推移すると結局353円高の20,741円と高値引けで取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が3%以上上げ21日の年初来高値を更新したほか、日経ジャスダック平均も1%以上上昇し7日続伸となっています。

2.個別銘柄等

カシオ計算機(6952)が急伸し12.5%高となりました。先週末の引け後に発表した前期の決算は減益となり今期の見通しも未定としましたが、5月9日に開催された中国の大手ECモールでの販促イベントでのGショックなどの腕時計の1日の売上高が前年に比べ6割以上伸びたことが決算説明資料で明らかとなったことで中国市場での成長を期待する買いを集めました。

また、LIXILグループ(5938)は米国市場への期待から3.2%高となりました。米国でトイレットペーパーの買い占めが起こるなかシャワートイレが紙の代替となることを訴えるキャンペーンを展開したことで3月単月での米国の売上高が前年比2倍となったと報じられたことが好感されました。北米を中心に3-4月にかけて注文が3倍に増えたと伝わったTOTO(5332)も3.5%高となっています。

さらに緊急事態宣言が首都圏や北海道でも解除される見通しとなったことで居酒屋の鳥貴族(3193)やヨシックス(3221)、串カツ田中ホールディングス(3547)などが高く、鳥貴族が11.4%高、ヨシックスが9.4%高、串カツ田中ホールディングスが8.3%高となっています。一方で先週末の取引終了後に決算を発表した富士フイルムホールディングス(4901)は前期の決算が二桁の営業減益となったことで2.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は反発しました。先週後半は日経平均のPBRが1倍を回復したこともあって上昇一服となりました。しかし、本日は先週末の日本市場がダウ平均の大幅安を見越して下げ幅を広げる展開となったにも関わらず先週末のダウ平均が下げ渋る結果となったことに加えて、国内で緊急事態宣言が首都圏や北海道でも解除される見通しとなり経済活動再開への期待が高まり大幅高となりました。東証1部の売買代金が1兆7371億円と2兆円を割り込み薄商いだったものの、日経平均が高値引けと力強い終わりとなったことで明日以降の展開に期待が膨らみます。なお、今晩の米国市場はメモリアルデーの祝日で休場となります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)