東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株安を受けて続落となりました。日経平均は31円高の20,583円と小幅に反発して寄り付くとしばらく昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。10時に発表された日銀の金融政策決定会合の結果は事前に想定された範囲の内容で反応は限定的でしたが、徐々に売りが優勢になると日経平均は前場を90円安の20,462円で終えました。下げ幅を広げ152円安でスタートした後場の日経平均は、中国の全人代で香港での国家分裂などの行為を禁じる香港版国家安全法を議題にすることになり香港ハンセン指数が急落すると14時30分前に217円安の20,334円まで売られました。その後やや持ち直した日経平均ですが結局164円安の20,388円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が6日ぶりに反落となった一方で、日経ジャスダック平均は6日続伸となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が子会社のソフトバンク(9434)の一部株式を売却すると発表したことで財務基盤の強化に向けた資産売却の進展を評価した買いが入り2.8%高となりました。一方で一部株式が売却されることになったソフトバンクは4.1%安となっています。
また、急伸したのがオイシックス・ラ・大地(3182)で14.1%高となり年初来高値を更新しました。昨日の引け後に発表した決算で2020年3月期の営業利益が前期比6.7%増となったのに続き、2021年3月期の営業利益も新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や在宅勤務の普及で21.6%増となる見通しを発表したことが好感され買いを集めました。
さらに一時大きく上げたのがオリックス(8591)で2021年3月期の配当性向を前期の32%から50%に引き上げると発表したことで4%高まで買われる場面がありました。しかし、50%の配当性向を2021年3月期限りとしたことや、期末と年間の配当予想を未定としたこともあって小幅に下げる場面もあり引けは0.4%高に止まっています。昨日の取引終了後に第1四半期の決算を発表したすかいらーくホールディングス(3197)も営業利益が前年同期比99.3%減となり中間配当を見送ると発表したことで2.9%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は昨日に失速し小幅安となったのに続いて、本日も小幅に上昇して始まったものの米国株安やハンセン指数の急落を受けて三桁の下落となりました。日経平均のPBRが一時1倍を回復したこともあって一旦は上昇一服になりやすいともいえます。こうしたなか政府は昨日に関西3府県の緊急事態宣言を解除すると決めましたが、25日には昨日解除を見送った5都道県の解除の可否を判断する予定です。その結果を受けて経済活動再開への期待が一段と高まるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)