東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は先週末の米国株高を受けて続伸となりました。日経平均は60円高の20,097円で寄り付くと90円高余りまで一旦上げ幅を広げましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると下落に転じました。しかし、38円安の19,999円と20,000円をわずかに割り込んだところで切り返すと再びプラスに転じ140円高の20,177円で前場を終えました。156円高の20,194円で後場の取引をスタートさせた日経平均は79円高まで上げ幅を縮める場面もありましたが、持ち直すと大引けの15分前には160円高の20,197円まで買われました。結局、日経平均は96円高の20,133円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに続伸となり、東証マザーズ指数は4%近く上昇し大幅高となっています。

2.個別銘柄等

先週末に揃って決算を発表した3メガバンクはまちまちとなりました。2020年3月期の純利益が三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)に代わって首位となった三井住友フィナンシャルグループ(8316)が前期の期末配当を増額修正したこともあり3.5%高となったほか、多額の減損処理がなくなることもあって2021年3月期に小幅ながら増益を見込む三菱UFJフィナンシャル・グループも0.9%高としっかりでした。一方でみずほフィナンシャルグループ(8411)は2021年3月期の純利益が3割近い減益となる見通しを発表したことで0.4%安となっています。また、大幅な減益予想を発表した日本郵政3社も安く、なかでも今期の配当を未定とした日本郵政(6178)とゆうちょ銀行(7182)が大きく下げ、日本郵政が9.2%安、ゆうちょ銀行が14.3%安となっています。

さらに米商務省が中国のファーウェイに対する禁輸措置を強化したことを受けて先週末の米国市場で半導体株が下落した流れを引き継ぎ日本市場でも半導体関連株が売られました。東京エレクトロン(8035)が3.7%安、アドバンテスト(6857)が4.3%安となり、SCREENホールディングス(7735)は13.7%安と急落しています。

そのほか材料が出たところでは、タカラバイオ(4974)が唾液から新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR用検査試薬を発売すると伝わったことで13.2%高と急伸しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は続伸となりましたが、先週末に続いて下落に転じ20,000円を割り込む場面がみられました。半値戻しを達成した後で売りが出やすいといえますが、こうしたなかで次の展開に向けて20,000円近辺での底堅さを確認しているようにもみえます。なお、本日の8時50分に発表された1-3月期のGDPは前期比年率3.4%減と2四半期連続でのマイナス成長となりました。市場予想ほどは悪化しませんでしたがマーケットの反応は限定的でした。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)