東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて4日ぶりに反発しました。日経平均は235円高の20,149円と20,000円の大台を回復して寄り付くとまもなくして283円高の20,198円まで上昇しましたが、5日移動平均線(20,195円)にタッチしたところで上値が押さえられると上げ幅を縮め20,000円を割り込んで10時40分過ぎに下落に転じ前引け間際には81円安の19,832円まで売られました。60円安の19,854円で前場を終えた日経平均は30円高とプラスに転じて後場をスタートさせると20,000円を回復し14時30分過ぎに174円高の20,089円まで上昇しました。結局、日経平均は122円高の20,037円と20,000円の大台を回復して取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに反発となっています。

2.個別銘柄等

日産自動車(7201)が一時6%高まで上昇する場面がありました。スペインの工場を閉鎖し現在年約700万台ある総生産能力を2022年度までに2割程度削減する調整を始めたと報じられたことで固定費削減による収益改善への期待から買われました。引けは3.9%高となっています。

また、半導体製造装置関連株が買われました。昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表した半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)が時間外で一段高となったことから日本市場でも東京エレクトロン(8035)やSCREENホールディングス(7735)、アドバンテスト(6857)などが高く、東京エレクトロンが2.0%高、SCREENホールディングスが4.9%高、アドバンテストも3.3%高となりました。

昨日の取引終了後に決算を発表したディー・エヌ・エー(2432)も5.2%高となりました。2020年3月期の営業損益は457億円の赤字となりましたが、発行済株式数の13.6%に当たる2059万株の自社株消去を発表したことで買われました。16.2%上昇しストップ高となったのがコロプラ(3668)で上期の営業利益が前年上期の15倍となったことで買いを集めました。

一方で下げがきつかったのがカルビー(2229)で2021年3月期の営業利益が11%を超える減益となる見通しを発表したことで12.0%安となりました。23%余りの営業減益の業績予想を発表した三菱地所(8802)も8.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は反発し20,000円を回復しました。しかし、20,000円を割り込むと上値の重さが意識され下落に転じる場面もありました。日経平均は月曜日に半値戻しを達成した後ということもあって一旦調整しやすいといえます。そのため来週も20,000円近辺での底堅さが試される場面がありそうです。こうしたなか決算発表は今週がピークで来週は大きく減少します。しかし、まだまだ注目度の高い企業の決算発表が残っています。特に週明けにはコマツ(6301)やパナソニック(6752)、ソフトバンクグループ(9984)などが決算を発表する予定で注目されます。また、週明けの8時50分にはマイナス成長が見込まれる1-3月期のGDPの発表が予定されておりこちらも注目です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)