東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株安を受けて3日続落となり、日経平均は20,000円の大台を割り込みました。日経平均は126円安の20,140円で寄り付くと取引開始から40分弱で185円安の20,081円まで下落しましたが、10時10分に82円安の20,185円まで下げ幅を縮めると前場を128円安の20,138円で終えました。101円安でスタートした後場は13時30分ごろから一段安になると20,000円を割り込んで引けにかけてさらに下げ幅を広げました。引け間際に364円安の19,902円まで売られた日経平均は結局352円安の19,914円と20,000円を割り込んで安値圏で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数が4日ぶりに反落となったほか、日経ジャスダック平均も6日ぶりに反落となっています。

2.個別銘柄等

注目を集めた昨日引け後のソニー(6758)の決算発表ですが、本日はその決算を受けて3.9%安となりました。2020年3月期の営業利益が前期比5.5%減の8455億円となり、2021年3月期の業績予想については未定とし、見通しを8月初旬に実施する第1四半期の決算発表時に示すと発表しました。しかし、6月末に新型コロナウイルス感染拡大がピークアウトするなどの前提を置いた上で少なくとも3割程度の減益になるとの試算を示したこともあって売りが優勢となりました。

また、医療用電子機器メーカーの日本光電工業(6849)も8.2%安と大きく下げました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて人工呼吸器や生体情報モニターの需要が増えるとの期待があったものの決算で2021年3月期の営業利益が10%近い減益となる見通しを発表したことが嫌気されました。

反対に決算を受けて買われたのが武田薬品工業(4502)で、2021年3月期の営業利益が前期に比べて3.5倍と急回復する見通しを発表したことで4.7%高となっています。2021年3月期の営業利益が15%以上増益となる見通しを発表した日本新薬(4516)は新型コロナウイルス向け治療薬の開発を始めたと伝わったこともあって5.0%高となっています。さらに第1四半期の営業利益が6割近い増益となった東京応化工業(4186)も急伸し13.5%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。昨日は99円安と下げ渋りましたが、ダウ平均が下げ止まらず連日で500ドル前後の下げとなったことからさすがに本日は下げ幅を広げ20,000円の大台を割り込んでしまいました。こうしたなか明日は11時に中国で鉱工業生産高や小売売上高などの経済指標が発表される予定です。改善が見込まれているだけにこれらを追い風に日経平均が大台を回復でできるかが注目されます。また、引け後にはメガバンク3行が決算を発表する予定でこちらも注目です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)