東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて大幅続伸となり、日経平均が20,000円の大台を3営業日ぶりに回復しました。297円高の19,972円で寄り付いた日経平均は取引開始から50分余りで上げ幅を414円高の20,088円まで広げたあと一旦20,000円を割り込む場面もありましたが、大きく押すことなく堅調に推移するとまもなくして20,000円を回復し前場を351円高の20,025円で終えました。413円高の20,088円でスタートした後場は、中国の副首相と米通商代表部代表が電話会談でマクロ経済と公衆衛生での協力を強化することで合意したと伝わり米中対立への懸念が後退したこともあってさらに上げ幅を広げました。日経平均は引けにかけて一段高となり結局504円高の20,179円と高値引けで取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで、昨日に6%を超える上昇となった東証マザーズ指数は反落となったものの、日経ジャスダック平均は続伸となっています。

2.個別銘柄等

日経平均が大幅高となるなか寄与度の大きい銘柄が大きく上げました。ファーストリテイリング(9983)が3.3%高となり日経平均を59円押し上げたほか、ソフトバンクグループ(9984)も3.8%高となり日経平均を37円押し上げています。そのほかアドバンテスト(6857)とTDK(6762)も4%以上上げ、KDDI(9433)とファナック(6954)も3%以上上昇しています。

昨日の取引終了後に発表した決算に反応して大きく上げたのがファンケル(4921)とヤマダ電機(9831)で、ファンケルは2020年3月期の営業利益が二桁の増益となったことに加えて、2021年3月期も小幅ながら営業増益となる見通しを出してきたことから15.4%高と急伸しました。ヤマダ電機は2021年3月期の業績予想を見送ったものの、2020年3月期の営業利益が4割近い大幅な増益となったことから5.5%高となっています。また、本日の取引時間中に発表された決算に反応したのが伊藤忠商事(8001)で、2021年3月期の当期純利益は減益予想ながら、増配を発表したことで4.9%高となりました。

一方で決算を受けて売られたのが任天堂(7974)で、2020年3月期は4割余りの営業増益となったものの、2021年3月期の営業利益が1割を超す減益見通しとなったことで3.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は20,179円で取引を終え高値引けとなりました。強い引けとなったこともあって週明けにも先月30日に抜け切れなかった一目均衡表の雲の上限(20,237円)を試す可能性がありそうですが、雲の上限は新型コロナショックで大きく調整した幅の半値戻しの水準でもあることから仮に上回ってくれば上値余地が大きく広がることになるため注目されます。また、今晩は日本時間の21時30分に米雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数が前月比で過去最多の2100万人以上減少し、失業率も16%に達するとみられていることからマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)