高齢化率世界一

「高齢社会」という言葉をご存知ですか。国連では、その国の総人口に対して65歳以上の人口の比率が7%を超えると「高齢化社会」と定義しています。ちなみに、総人口に占める65歳以上人口の比率を「高齢化比率」と呼びます。さらに「高齢化比率」が14%を超えると「高齢社会」になります。

総務省統計局では、毎年9月15日に高齢者数と高齢化率の推計値を発表しています。2019年は、65歳以上人口が3588万人と過去最高で、高齢化率は28.4%になったそうです。日本は「高齢社会」がかなり進行している状態です。「高齢化社会」が高齢化率7%、「高齢社会」が14%であれば、28%はさしずめ「超高齢社会」と呼んでいいでしょう。

高齢化率28.4%は、世界一の水準ですが、今後もまだまだ上がる予想で、国立社会保障・人口問題研究所が発表した2065年の人口推計では、高齢化率は38%を超えています。2065年は45年後ですから、現在30歳の人は75歳、40歳の人は85歳、50歳の人は95歳になっているでしょう。その時に日本は、人口の4割が65歳以上という国になるわけです。これを読んでいるあなたにとっても、無関係な問題ではないはずです。

2065年の日本は「超高齢“女子“社会」…

2065年を100人の村に例えてみると、「男性が48人、女性が52人です。そのうち65歳以上の男性が17人で、女性が21人。合わせると38人が65歳以上です。また、75歳以上をみると男性が10人、女性が15人です。」

女性の高齢者は21人ですから、65歳以上の6割弱が女性で、女性だけの高齢化率は41.7%となります。「超高齢社会」の本質は、「超高齢“女子”社会」だと言えるでしょう。

急速に高齢化が進む日本では、「高齢者サービスの需要が急増する一方で、供給が追いつかない状況が生まれ、サービスの値段はかなり高いものになる」ことが考えられます。長生きすればするほど、そのぶんお金もかかります。高齢者サービスの値段が高くなったことで、想定以上に支出が増えるなら、天寿をまっとうする前に資産が尽きてしまうかもしれません。しかも長生きする傾向の女性が、高額になってしまうだろう高齢者向けサービスを受けられるだけのお金を持っていなかったとしたら…。

「老後難民女子」にならないための3つの対策

そうしたなかで私たちは何を考えればいいのでしょうか。世間では「人生100年時代」という言葉が散見されます。そんなに長い人生をどう考えたらいいのか、どう準備していけばいいのかは非常に気になる話ですね。

私は「お金との向き合い方」というお話をさせていただくことが多くあります。そのなかで退職後の生活を考えるうえで3つの対策に言及しています。生活コストを引き下げること、長く働くこと、そしてお金にも働かせること、の3つです。生活コストの引き下げでは、生活そのもののダウンサイジングが重要になります。その中でも効果的なのが住み替え、特に東京や大阪、名古屋といった大都市の物価の高いところに住んでいる人なら地方都市に移住することなども検討する時代になってきました。ただまだこれを考える必要はありませんね。その時になったらぜひ検討してみてください。

また60歳定年制の見直しなど長く働ける環境が整いつつありますので、長く働くこともこれまでよりも可能だと思います。ただ、環境が整っても自分のスキルを高めていなければその流れに乗り切れません。そのための準備はもう始めてもいいのではないでしょうか。自己投資です。

生活設計は95歳まで

3つ目の対策であるお金にも働かせることは、今すぐ始めるべきことです。そう、資産形成です。その第一歩は「資産形成をゼッタイ始める」と腹落ちすることです(そのためにも弊著「老後の資産形成をゼッタイ始めると思える本」(扶桑社)をお読み下さい)。そのうえで、大まかな計画を保守的に作成しておくことです。

今の段階では計画は大まかで十分です。例えば、

【1】60歳まで働くー65歳、可能であれば70歳まで働くべきですがそれを前提にすると万一それほど働けなかったときに大きく計画が狂ってしまいます。保守的にしておきます。

【2】資産運用を今すぐ始めて、退職しても75歳くらいまで続けるー海外では生涯運用を前提にすることが多いのですが、認知症など認知・判断能力の低下を想定すると運用できる期間も短めにするべきです。それでも今から考えると30年、40年の運用期間があるのです。

【3】95歳までの人生を想定するー60歳の方の平均余命を前提に、多くの女性が80代後半を考えるのですが、それは60歳の方が生きる年数の平均にしかすぎません。それ以上に生きることを想定しておくことが保守的な対応です。女性の生存確率が2割となる年齢が96歳(男性は91歳)ですから、夫婦で考えれば95歳くらいを想定すべきでしょう。

といった計画を前提にした青写真を見据えてみてはどうでしょう。

次回は、日々の生活の中でどうやって資産形成を進めていったらいいのかをまとめてみます。