東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇し、日経平均が終値ベースで3月6日以来の20,000円台回復となりました。日経平均は334円高の20,105円で寄り付くと買い気配の銘柄が寄り付くなか上げ幅を広げ取引開始から6分後には545円高の20,316円まで上昇しました。10時45分に発表された財新の中国製造業PMIが49.4と2カ月ぶりに好不況の分かれ目となる50を下回ると日経平均は420円高程度まで上げ幅を縮める場面もありましたが、直ぐに持ち直すと510円高の20,281円で前場の取引を終えました。後場は532円高で取引をスタートさせるとさらに上げ幅を広げ13時過ぎに594円高の20,365円まで買われ本日の高値を付けました。その後やや上げ幅を縮めた日経平均ですが結局422円高の20,193円と大きく反発して取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が5日続伸となったほか、日経ジャスダック平均も3日続伸となっています。

2.個別銘柄等

延期になっていた中国の全人代開催が5月22日に決まったことで中国関連銘柄が物色されました。安川電機(6506)が5.6%高となったほか、ファナック(6954)も投資判断の引き上げもあって5.6%高となりました。28日の取引終了後に決算を発表し営業利益が9割割を超す大幅な減益となる上期見通しを発表したオークマ(6103)も急伸し12.9%高となっています。日立建機(6305)も4.2%高となり、コマツ(6301)とダイキン工業(6367)も3%以上上げています。そのほか材料が出たところではレーザーテック(6920)が一時ストップ高となりました。半導体関連装置などの通期の受注高を700億円から850億円へと引き上げたことで買いを集めました。引けは15.0%高となっています。さらに外資系証券による投資判断と目標株価の引き上げを受けて上昇が目立ったのがリクルートホールディングス(6098)で7.8%高となりました。

一方で山崎製パン(2212)は第1四半期の営業利益が減益となった決算を受けて国内大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことで16.3%安となりました。小林製薬(4967)もインバウンド向けが急減したことなどで第1四半期の営業利益が減益となったことで8.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の米国市場が新型コロナウイルス治療薬への期待などから大幅反発となったことから422円高となり20,000円の大台を回復しました。しかし、一目均衡表の雲の上限(20,237円)を引けでは上回れませんでした。雲の上限は新型コロナショックで大きく調整した幅の半値戻しの水準でもあります。したがってここを抜けてくると上値余地が大きく広がることになるため明日以降も雲の上限を抜けるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)