【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 23,537.68  △33.33 (4/16)
NASDAQ: 8,532.36  △139.19 (4/16)

1.概況

米国市場は大型ハイテク株への物色を支えに小幅に反発しました。39ドル高と小幅に反発してスタートしたダウ平均は直ぐにマイナスに転じると急激な落ち込みを示す経済指標の発表が相次いだことや、ニューヨーク州などが必要不可欠な業種以外の営業停止を当初予定の4月末から5月15日まで延長したことなどから290ドル安程度まで売られる場面もありましたが、午後に入ってじりじりと下げ幅を縮めると引け間際にプラスに転じ結局33ドル高の23,537ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も139ポイント高の8,532ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は524万5000件となりました。この結果この1カ月間の申請件数は2200万件を超えています。また、3月の米住宅着工件数は年率換算で前月比22.3%減の121万6000戸と36年ぶりの大幅な落ち込みとなり市場予想を下回りました。4月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数もマイナス56.6と前月のマイナス12.7から大きく低下し1980年7月以来の低水準となり市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げました。そのなかでもヘルスケアが2%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスも2%近く上げています。また、情報技術も1%を上回る上昇となっています。一方で5業種が下げ、エネルギーが4%近く下落し、金融も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

巣ごもり消費が業績拡大につながるとの見方から動画配信のネットフリックス(NFLX)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)などへの買いが続き、ネットフリックスは目標株価の引き上げもあって3%近く上げ連日で上場来高値を更新しました。アマゾン・ドット・コムも4%以上上昇しこちらも連日で上場来高値を付けています。在宅勤務の広がりでビジネス対話アプリの利用が増えているマイクロソフト(MSFT)も3%高となりました。

一方でエアバスが旅行需要の急激な減少を受けて航空機の引き渡しの先送りを検討していると表明したことで事業環境の厳しさが改めて意識されボーイング(BA)が売られ8%安となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ただ、3月から休止していた商業機の生産を段階的に再開すると発表したことから時間外では大幅高となっています。また、ツイッター(TWTR)が投資判断の引き下げを受けて3%以上下げました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い0.62%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米トランプ大統領が記者会見で新型コロナウイルスの感染拡大で実施していた外出制限などの措置について感染が少ない地域から経済活動の再開を認める指針を発表したことで米株価指数先物が大幅高となっていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は日本時間の11時に中国の1-3月期の国内総生産(GDP)が発表されます。四半期として遡れる1992年以降で初めてのマイナス成長になるとみられていることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)