東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株安を受けて続落となりました。日経平均は238円安の19,311円で寄り付くとさらに下げ幅を広げ取引開始から40分余りで395円安の19,154円まで下落しました。しかし、売りが一巡すると下げ幅を縮め前場を234円安の19,315円で取引を終えました。254円安の19,295円でスタートした後場の日経平均は19,300円を小幅に上回ったところで押し返されると19,200円台でもみ合う展開となりました。結局、日経平均は259円安の19,290円で取引を終えています。一方で新興市場は引き続き堅調で東証マザーズ指数が4日続伸となったほか、日経ジャスダック平均も9日続伸となっています。

2.個別銘柄等

JFEホールディングス(5411)が倉敷の高炉を4月末をめどに休止すると発表したことで3.3%安となりました。日本製鉄(5401)も出資するブラジルの鉄鋼大手の高炉2基を休止すると報じられたこともあって連れ安となり3.1%下げ年初来安値を付けています。一方で年初来高値を更新したのがエムスリー(2413)で3.2%高となりました。ソニー(6758)が新型コロナウイルスへの対策として人工知能(AI)を使った画像診断の技術開発を後押しするために関係会社のエムスリーに約10億を拠出すると発表したことから買われました。

また、投資判断や目標株価の変更に大きく反応する銘柄がみられました。目標株価の引き下げを受けてサントリー食品インターナショナル(2587)が4.8%安、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス(2579)が4.1%安、TOTO(5332)が3.0%安となったほか、シスメックス(6869)は投資判断と目標株価の引き下げを嫌気して7.0%安となりました。空港施設(8864)は投資判断の引き上げを好感して7.6%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は米国株安を受けて続落となりました。米国市場では米小売売上高が過去最大の落ち込みとなり、米ニューヨーク連銀製造業景況指数も過去最低となるなど過去最悪レベルの経済指標の発表が相次いだことが嫌気されました。こうしたなか明日は日本時間の11時に中国の1-3月期の国内総生産(GDP)が発表されます。四半期として遡れる1992年以降で初めてのマイナス成長になるとみられていることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)