東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は反落となりました。日経平均は49円安の19,589円で寄り付くとさらに下げ幅を広げ節目の19,500円を割り込んで取引開始から5分後には172円安の19,465円まで売られました。朝方の売りが一巡すると持ち直し下げ幅を縮め19,500円を回復した日経平均ですが昨日の終値を前に上値が押さえられると軟調に推移し前場は117円安の19,521円で取引を終えました。下げ幅を縮め25円安でスタートした後場は昨日の終値を挟んで小幅に揉みあう展開がしばらく続きましたが、14時10分過ぎから売りが優勢になると19,500円を再び割り込み14時55分には151円安の19,487円まで下落しました。しかし、引けにかけて19,500円を回復すると結局88円安の19,550円で取引を終えています。

一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数が3日続伸となったほか、日経ジャスダック平均は8日続伸となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場でJPモルガン・チェース(JPM)が新型コロナウイルスに関連して多額の貸倒引当金を計上し大幅減益となったことで売られたことから日本市場でも銀行の業績悪化が警戒されメガバンクが売られました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が2.5%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2.1%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)が2.8%安となりました。

また、下げがきつかったのが国際石油開発帝石(1605)やコスモエネルギーホールディングス(5021)で、原油価格の下落を受けて国際石油開発帝石が4.1%安、コスモエネルギーホールディングスが4.4%安となっています。

一方で東宝(9602)が3.5%高となりました。2021年2月期の業績予想の開示は見送りましたが、減配ながらも年35円の配当予想を発表したことが好感されました。急伸したのが串カツ田中ホールディングス(3547)で、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか将来の資金需要に備える狙いで24億円の借入枠を確保したことや、発行済み株式数の5.3%に当たる50万株を上限とする自社株買いを発表したことから買いを集め10.4%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の大幅高の反動もあって反落となりました。しかし、下げ渋り一時割り込んだ節目の19,500円を引けでは上回り底堅さをみせました。そのため昨日に3月下旬に付けた戻り高値(19,564円)を抜けたことで膨らんだリバウンド相場への期待はそのまま維持されそうです。なお、今晩の米国市場でもゴールドマン・サックス(GS)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)、シティグループ(C)など金融大手の決算発表が行われる予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)