東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は昨日の米国市場が急反発となったことで続伸となりました。日経平均は302円高の18,878円で寄り付くとさらに上げ幅を広げ節目の19,000円を上回って取引開始7分後に586円高の19,162円まで上昇しました。その後しばらくは19,000円を挟んで揉みあった日経平均ですが11時頃から弱含むと前場は232円高の18,808円で取引を終えました。190円高でスタートした後場はさらに上げ幅を縮めると12時50分過ぎにマイナスに転じ23円安まで下落しました。しかし、大きく下げることなく直ぐにプラスに転じると持ち直し14分30分過ぎからは一段と上げ幅を広げる展開となりました。14時50分過ぎに454円高の19,031円まで上昇した日経平均ですが引けにかけて19,000円を割り込むと結局373円高の18,950円で取引を終え3日続伸となっています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が続伸となりました。

2.個別銘柄等

昨日の取引終了後に決算を発表したニトリホールディングス(9843)が外出自粛で小売業に逆風が吹くなかでの良好な業績が評価され6.9%高となりました。前期の営業利益の実績が計画を上回り7%近い増益で着地したことに加え、今期も新型コロナウイルスの感染拡大の影響が上期まで続くと仮定したうえで4%余りの営業増益予想を出してきたことが好感されました。

また、昨日の米国市場で主要な半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が急伸となったことから日本市場でも半導体関連株が買われました。半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)が5.7%高、SCREENホールディングス(7735)が6.1%高、アドバンテスト(6857)が12.7%高となったほか、シリコンウエハーのSUMCO(3436)が6.5%高、信越化学工業(4063)が4.7%高となっています。

一方で緊急事態宣言が発令されると知事が使用制限や停止を要請・指示できる対象に百貨店も食品売り場や医薬品の売り場を除いてなるとみられていることから三越伊勢丹ホールディングス(3099)が2.9%安、高島屋(8233)が2.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は373円高となり25日移動平均線(18,733円)をしっかりと上回りました。これにより先週続いた調整も一巡との見方が一段と増えそうです。しかし、節目の19,000円を引けでは回復できませんでした。なかなか一気に強気にはなれないようです。こうしたなかまだまだ新型コロナウイルスの感染者数などの動向に一喜一憂する展開が続きそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)