東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株安を受けて大幅続落となりました。寄り付き前に発表された日銀短観は大企業製造業の業況判断指数(DI)がマイナス8と7年ぶりにマイナスとなったものの市場予想ほど悪化しませんでしたが、支援材料にならず日経平均は230円安の18,686円で寄り付きました。その後取引開始から10分余りで下げ幅を400円近くまで広げた日経平均は節目の18,500円を前に下げ渋ったこともあって持ち直し前場は177円安の18,739円で取引を終えました。

しかし、207円安でスタートした後場は米株価指数先物が売られたこともあり再び下げ幅を大きく広げる展開となりました。14時過ぎから一段安となった日経平均は14時50分過ぎに1,045円安の17,871円まで下落し節目の18,000円を一時割り込みました。引けにかけてやや持ち直した日経平均ですが結局851円安の18,065円で取引を終え3日続落となっています。こうしたなかで新興市場も軟調で日経ジャスダック平均が3日続落となったほか、東証マザーズ指数も反落となっています。

2.個別銘柄等

新型コロナウイルスの感染拡大の業績面への影響が出始めた銘柄のなかには引き続き大きく下げる銘柄がみられました。日本板硝子(5202)は新型コロナウイルスの感染拡大の影響による減損損失の計上で最終赤字が拡大する見通しから2020年3月期の年間配当を3年ぶりに無配にすると発表したことで一時は9%安まで売られました。引けは7.5%安となっています。コシダカホールディングス(2157)も新型コロナウイルスの感染拡大を受けて東京都や神奈川県、大阪府、愛知県など1都2府6県にあるカラオケ店とインターネットカフェ計201店舗を臨時休業にすると発表したことで7.6%安となっています。一方でラウンドワン(4680)も東京都と大阪府にある全店舗を臨時休業すると発表したものの、発行済株式総数の10.5%に当たる1,000万株を上限とした自社株買いを発表したことで急伸し10.5%高となっています。

また、巣ごもり関連銘柄への物色が本日もみられました。任天堂(7974)が0.8%高ながら11連騰となったほか、テレワーク関連のブイキューブ(3681)も20.9%高と急伸し8連騰となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

新年度は厳しいスタートとなりました。先週の日経平均が週間で2,836円(17.13%)上昇し、上げ幅と上昇率がともに指数算出開始以来で最大となった後ということもあって利益確定の売りも出やすく本日の日経平均は一時1,000円を超す下げとなりました。緊急事態宣言の発令が取り沙汰されているなかで日経平均が二番底を探るような展開となるかが当面はポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)