東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は724円高の1万9389円と大幅に反発しました。TOPIXやJPX日経400も4%余り上昇したほか、東証2部指数やマザーズ指数なども総じて上昇しました。前日の米国市場が大幅高となったことを受けて、日経平均は357円高の1万9021円と反発して寄り付きました。買い一巡後に上げ幅を縮めた日経平均は、11時前に167円高まで上げ幅を縮めて安値をつけると前場を230円高の1万8895円で終えました。後場に入り再び上げ幅を広げた日経平均は一時伸び悩む場面も見られましたが、引け間際に急速に上げ幅を広げると724円高の1万9389円と高値引けで取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆9093億円でした。

東証33業種は石油石炭製品を除く32業種が上昇しました。中でも精密機器が7.7%上昇したほか、電気・ガス業や医薬品、建設業などが大幅に上昇しています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は総じて上昇しました。売買代金トップのソフトバンク グループ(9984)が2.9%上昇したほか、トヨタ自動車(7203)やファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)、任天堂(7974)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、東京エレクトロン(8035)、武田薬品工業(4502)、KDDI(9433)、キーエンス(6861)が上昇しました。

材料が出たところでは、和装やブライダル事業を手掛ける一蔵(6186)が8.8%下落しました。26日の引け後に2020年3月期通期の業績予想と配当予想の下方修正を発表しており、中でも純利益が従来予想より76%減少する見通しであることなどが嫌気されました。また、東芝機械(6104)は8.7%下落しました。かねてより旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンスから受けていた株式公開買い付け(TOB)について、本日行われた臨時株主総会で対応方針や買収防衛策の導入などの議案が可決されたことを受けて、TOB不成立の可能性が嫌気されて売られました。新興市場では、デリバリーサービスの出前館(2484)がストップ高水準となる15.2%高で取引を終えています。26日の引け後にLINE(3938)との資本業務提携を発表しており、提携強化による業績改善が期待されて買われました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は大幅反発となりました。来週以降もコロナウイルスの感染状況により引き続きボラティリティの大きい展開が続きそうです。来週は日銀短観やISM景況指数、米雇用統計など重要指標の発表が多数行われます。もちろんコロナウイルス問題による各指標の大幅悪化はマーケットに織り込まれている部分も多いと思われますが、想定以上の悪化となった場合などのマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)