東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は9円高の1万7011円と小幅に反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて上昇しました。TOPIXは2.6%高、マザーズ指数は6.1%高とそれぞれ大きく上昇しています。前日の米国市場でダウ平均が3,000ドル近い大幅安となったことを受けて、日経平均は275円安の1万6726円と続落して寄り付きました。まもなく623円安まで下落した日経平均でしたが、その後は一本調子で下げ幅を縮めてプラスに転じました。10時半過ぎに555円高まで上昇して高値をつけた日経平均は、急速に上げ幅を縮めて前場を78円安の1万6923円で終えました。後場に入るとしばらくプラス圏で推移した後、前日終値を挟んだ荒い値動きとなった日経平均は、引けにかけて上げ幅を縮めて結局9円高の1万7011円で取引を終えました。東証1部の売買代金は4兆3713億円と活発な商いでした。
東証33業種は鉱業と保険業を除く31業種がいずれも上昇しました。中でもパルプ・紙が10.7%上昇したほか、電気・ガス業や水産・農林業などが大幅に上昇しています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が0.7%下落したほか、ファーストリテイリング(9983)や三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、KDDI(9433)、東京エレクトロン(8035)、武田薬品工業(4502)が下落しました。中でもファーストリテイリングは16日に米国内のユニクロ50店舗を17日から一時閉店すると発表しており、業績悪化への懸念から売りが優勢となり4.8%下落しました。ファーストリテイリング1銘柄で日経平均を80円近く引き下げています。一方でソニー(6758)や任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、NTTドコモ(9437)は上昇しました。中でも任天堂は、新型肺炎の感染拡大の影響により欧米各国で外出が規制されていることを受けて、ゲーム需要の一層の高まりを期待した買いが入り5.9%上昇しました。トヨタ自動車も7%超の大幅高となっています。
その他材料が出たところでは、通販マッチングサイト「BUYMA」を運営するエニグモ(3665)が18.1%上昇しました。16日に発表した2020年1月期の通期業績が増収増益となり、中でも営業利益が会社計画を上回り大幅な増益となったことが好感されました。一方で産業機械メーカーの日本製鋼所(5631)は一時15年ぶりの安値をつけ、終値でも5.3%下落しました。16日に2020年3月期通期の業績見通しの下方修正や期末配当予想の下方修正を発表しており、業績の先行き不透明感から売られました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は小幅反発にとどまりましたが、TOPIXやマザーズ指数は大幅反発になるなど売られすぎとの思惑も強まったのか日本市場は反発しました。本日も日経平均の日中値幅は1,200円近くに達しており、ボラティリティが高い展開が続いています。底打ちを期待したいところですが、引き続き一段安に警戒を怠らないようにしておきたいところです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)