【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 20,188.52 ▼2,997.10 (3/16)
NASDAQ: 6,904.59 ▼970.28 (3/16)
1.概況
米国市場はFRBが緊急利下げを決定したものの新型コロナウイルス感染拡大による先行き不透明感を払拭できず急反落となりました。2,268ドル安と急落して始まったダウ平均は取引開始直後にサーキットブレーカー(取引停止措置)が発動され取引が一時中断されましたが、取引再開直後にはさらに下げ幅を広げ2,800ドル安近くまで下落しました。その後ダウ平均は昼前に1,400ドル安程度まで持ち直す場面もありましたが、午後に再び下げ幅を広げるとトランプ米大統領が新型コロナ感染の最悪期が8月まで延びる可能性があり、景気下押しが年後半以降も続くとの見通しを示したことなどから引け間際には3,069ドル安まで売られました。結局ダウ平均は2,997ドル安の20,188ドルで取引を終え、下げ幅は12日の2,352ドルを超えて過去最大となっています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も970ポイント安の6,904ポイントとなり節目の7,000ポイントを割り込んでいます。
2.経済指標等
3月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス21.5となり市場予想を大きく下回りました。前月からは34ポイント低下し過去最大のマイナス幅となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも不動産が16%以上下落したほか、金融と情報技術も14%近く下げています。また、エネルギーも13%以上下落し、一般消費財・サービスも12%余り下げました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもボーイング(BA)が24%近く下落したほか、トラベラーズ(TRV)も21%近く下げました。また、ホームデポ(HD)も20%近く下げ、インテル(INTC)も18%安となっています。さらにユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が17%以上、シェブロン(CVX)が16%以上、マクドナルド(MCD)も16%近く下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、新型コロナウイルス対応で全米でレストランやバー、カフェの営業停止命令が出ていることから外食大手のダーデン・レストランツ(DRI)が24%以上下げています。ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も新型コロナウイルスの感染拡大や渡航制限を受け4-5月に運航便の約5割を削減する方針を示したことで15%近く下落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.24%低い0.72%となりました。ドル円は106円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場の急落を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下値模索の展開となりそうで、節目の16,500円を試すような展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)