東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は1,128円安の1万7431円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて下落しました。前日の米国市場が大幅に続落したことを受けて、日経平均は376円安の1万8183円と続落して寄り付きました。まもなく下げ幅を4桁に広げた日経平均は10時半前に1,869円安まで下落して安値をつけると、その後はもみ合いながら小幅に持ち直して1,478円安の1万7081円で前場を終えました。後場に入りアジア株が持ち直したことや日銀が臨時の国債買い入れオペを実施したことを受けて急速に下げ幅を縮めた日経平均でしたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局1,128円安の1万7431円で取引を終えました。東証1部の売買代金はメジャーSQ日ということもあり4兆8923億円でした。なお、3月限の日経平均先物・オプションのSQ値は1万7052円でした。

東証33業種は全て下落しました。中でも鉱業が11.1%下落したほか、不動産業や空運業、農林・水産業などが大幅に下落しました、

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は総じて下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が5%下落したほか、ファーストリテイリング(9983)やソニー(6758)、任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、KDDI(9433)、東京エレクトロン(8035)、武田薬品工業(4502)、ファナック(6954)が下落しました。

材料が出たところでは、ネット印刷のラクスル(4384)が一時ストップ安となり、終値でも21.6%安と大きく下落しました。12日の引け後に発表した2019年8月~2020年1月期決算が営業赤字となったほか、2020年7月期の通期業績が赤字になりそうだとの見通しを示したことが嫌気されました。一方で三菱ケミカルホールディングス(4188)は3.5%上昇しました。グループの田辺三菱製薬のカナダ子会社が新型肺炎のワクチン開発に向けて新たな構造体の作製に成功したと伝わったことが好感されました。

新興市場では、新型肺炎の感染拡大防止に向けて小型サーモカメラにより非接触で発熱が疑われる人物を検知するシステムを開発したとの発表を受けて将来の業績寄与が期待されたエコモット(3987)がストップ高水準となる14.6%高で取引を終えています。また、かねてより取り組んでいる新型肺炎のワクチン開発について参画企業の追加を発表したアンジェス(4563)も13.7%上昇しています。

VIEW POINT: 明日への視点

引き続きマーケットの混乱が収まりません。日経平均は一時1,869円安まで下落しました。毎日同じようなポイントしか書けず大変恐縮ですが、マーケットが落ち着きを取り戻すには新型コロナウイルスの感染拡大の収束や、有効な治療薬の開発、大規模な財政・金融政策の発動などが行われる必要があると思われます。リーマン・ショックや東日本大震災の後のような厳しい相場が続きますが、言うは易く行うは難しですが長期的な目線でできる限り落ち着いて臨んでいただきたいと存じます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)