東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は451円安の1万9416円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて下落しました。日経平均は、先日の上昇の反動や米国市場の荒い値動きを受けて108円安の1万9758円と反落して寄り付きました。まもなく107円高まで上昇したものの、ドル円が104円台まで円高に振れたことなどを受けて下落に転じた日経平均は、じりじりと下げ幅を広げると159円安の1万9707円で前場を終えました。後場に入ると膠着感を強めた日経平均は、14時頃から再び下げ幅を広げて引け間際に474円安まで下落して安値をつけると、結局451円安の1万9416円で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆1263億円でした。
東証33業種は電気・ガス業やゴム製品、 水産・農林業などの5業種が上昇した一方で、サービス業や不動産業、医薬品などの28業種が下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が3.6%下落したほか、ソニー(6758)やファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、任天堂(7974)、東京エレクトロン(8035)、KDDI(9433)が下落しました。一方で、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)や資生堂(4911)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)は上昇しました。
材料が出たところでは、10日に2020年3月期通期の業績予想の下方修正を発表したマクセルホールディングス(6810)が7%下落しました。新型肺炎の感染拡大を受けて中国工場の操業度が低下したほか、中国からの製品や部品の調達が停滞していることなどを下方修正の理由として挙げています。また、オリエンタルランド(4661)は10日に政府が大規模イベントの自粛要請期間の延長を発表したことを受けて、東京ディズニーランドなどの臨時休園の延長が懸念されて4.3%下落しました。オリエンタルランドは正式に休園期間を延長することを発表しました。他にもテーマパークを運営するサンリオ(8136)が2.4%下落しています。
一方でエレクトロニクス商社の菱洋エレクトロ(8068)は14.3%上昇しました。同社が3か年ビジネスプランで掲げている株主還元の拡充に向けて、純資産配当率の目標を従来の3%から5%に引き上げると10日引け後に発表したことが好感されました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は大幅下落となりました。昨日の当欄で10日の前場はセリング・クライマックス感があったと記載しましたが、市場の警戒感は思ったよりも大きいようです。継続してお伝えしている通り、新型肺炎の世界的な感染拡大に歯止めがかかったり、現在発表されている経済対策よりも大規模な対策が発表されない限り大きな反発は難しい状況が続きそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)