東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は579円安の2万749円と3日ぶりの大幅反落となりました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて下落しました。米国株安や円高進行を受けて、日経平均は319円安の2万1009円と反落して寄り付きました。しばらくもみ合った後に一本調子で下げ幅を広げた日経平均は、11時前にドル円が105円台まで円高に振れたことも下押し材料となり676円安の2万652円とその時点の安値で前場を終えました。後場に入ってからも下げ幅を広げた日経平均は、13時過ぎに715円安まで下落して1日の安値をつけると、その後はやや持ち直し引け前に下げ幅を縮めて579円安の2万749円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆8335億円でした。
東証33業種は全て下落しました。中でも鉄鋼が6.4%下落したほか、証券商品先物や非鉄金属、海運業などが大幅に下落しています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が6.1%下落したほか、ファーストリテイリング(9983)やトヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、任天堂(7974)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、東京エレクトロン(8035)、武田薬品工業(4502)が下落しました。一方でセブン&アイ・ホールディングス(3382)は5.9%上昇して逆行高となりました。かねてより検討していた米石油精製会社のガソリンスタンド部門であるスピードウェイの買収を断念したと報じられたことを受けて、2兆円余りと見られた巨額の財務負担が回避されたことを好感した買いが入りました。
その他材料が出たところでは、石油輸出国機構(OPEC)が5日の臨時総会で原油の追加減産案の合意を発表したものの原油価格が下げ止まらないことを受けて一部の原油関連株が下落しました。中でも国際石油開発帝石(1605)が3.4%安、石油資源開発(1662)が3.1%安となっています。また、新興市場では韓国などからの観光客を対象とした手配旅行を提供するHANATOUR JAPAN(6561)が9.2%下落しました。同社が2月に発表した地域別売上高では韓国が40%程度を占めており、5日に政府が打ち出した中国と韓国からの入国制限を受けて業績悪化が懸念されました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は大幅安となり2日につけた取引時間中の安値である2万834円や3日につけた終値ベースの安値である2万1082円を下回って引け、下値模索のようなチャートとなってしまいました。先日来当欄で記してきたように二番底を探る展開になったとみられます。やはり株価の本格反発には新型肺炎の感染拡大が収束傾向となることや、財政支出や金融緩和などの景気刺激策が発表されることが必要になるとみられます。なお、本日日本時間22時半に米雇用統計が発表されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)