東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は17円高の2万1100円と小幅に反発しました。東証2部指数やマザーズ指数も上昇しましたが、TOPIXやJPX日経400などは下落しました。前日の米国市場が大幅に下落したことを受けて、日経平均は185円安の2万897円と続落して寄り付きました。直後に220円安まで下落して安値をつけたものの、売りが一巡するとプラスに転じた日経平均は、やや伸び悩む場面も見られたものの前場を74円高の2万1156円で終えました。1日の高値となる163円高で後場を迎えた日経平均でしたが、その後はじりじりと上げ幅を縮めて結局17円高の2万1100円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5244億円でした。
東証33業種は不動産業や情報・通信業、その他製品などの10業種が上昇した一方で、銀行業や保険業、海運業などの23業種が下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が1.6%下落したほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)やトヨタ自動車(7203)、オリエンタルランド(4661)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が下落しました。一方でファーストリテイリング(9983)や任天堂(7974)、KDDI(9433)、ソニー(6758)、日本電信電話(9432)は上昇しました。中でもKDDIは、楽天(4755)が3日に正式発表した携帯電話サービスの料金プランについて、楽天がKDDIの通信設備を借りることによる収入増加が期待されて5.6%上昇しました。
その他材料が出たところでは、3日に売上高や客数の前月比速報を発表したジーンズメイト(7448)がストップ高水準となる38.1%高で取引を終えました。2月の既存店売上高が6か月ぶりにプラスとなったことや、既存店客数が8%余り増加したことなどが好感されました。一方で、2日に2月単月の売上高を発表したアスクル(2678)は5.8%下落しました。2月の単体売上高が前年同月比で5.1%増加した一方で、新型肺炎の感染拡大に伴う注文数の急増を受けて個人向けネット通販サイト「ロハコ」の一時休業を発表しており、機会損失を懸念した売りに押されました。
VIEW POINT: 明日への視点
米国株安を受け下落して始まった日経平均ですが持ち直して小幅高で取引を終えました。この数日の推移からすると日経平均の2万1000円どころは現時点のサポートラインとして意識されているのかもしれません。引き続き新型肺炎の感染拡大状況や各国の金融緩和や財政支出についてが最大の注目材料ですが、今夜は米国で「スーパー・チューズデー」と呼ばれる民主党の米大統領候補を巡る選挙結果が明らかになると見られ、それを受けた米国市場の反応も注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)