東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は805円安の2万1142円と5日続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて下落しました。東証2部指数は5%超、東証マザーズ指数は6%超の大幅下落となっています。前日のダウ平均が過去最大の下げ幅を記録したことなどを受けて、日経平均は430円安の2万1518円と続落して寄り付きました。寄り付きがほぼ高値となり急速に下げ幅を広げた日経平均は、売り一巡後も軟調な推移が続き、前場を763円安の2万1184円で終えました。ドル円が109円を割り込んだことなどを受けて後場で一段安となった日経平均は、14時半過ぎに1,031円安まで下落して2万1000円を下回りましたが、大引けの際に急速に持ち直して805円安の2万1142円で取引を終えました。東証1部の売買代金は4兆1288億円と大商いでした。
東証33業種は全て下落しました。中でも不動産業が5.6%下落したほか、情報・通信業や水産・農林業などが大きく下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が4.3%下落したほか、任天堂(7974)やソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、信越化学工業(4063)が下落しました。
一方でオリエンタルランド(4661)は0.7%上昇して逆行高となりました。オリエンタルランドは本日お昼に東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの臨時休園を発表したものの、他のテーマパークの休園発表を受けてある程度可能性があると予想されていたことや、足元の株価がすでに大幅に下落していたことなどから押し目買いが入ったようです。
その他材料が出たところでは、長谷工コーポレーション(1808)が7.3%上昇しました。本日14時に2020年3月期の配当予想を増額する見通しを発表したことや300億円を上限とする自社株買いを発表したことが好感されました。また、レンタルショップなどを展開するゲオホールディングス(2681)が4.5%上昇しました。27日に政府が全国の小中学校や高校などに臨時休校を要請する考えを示したことを受けて、外出自粛により同社の店舗で展開している家庭用ゲーム機やDVDの需要が増加するとの思惑から買いが入りました。
また、サンドラッグ(9989)やツルハホールディングス(3391)、ココカラファイン(3098)など一部のドラッグストア関連株は新型肺炎の感染拡大を受けた生活防衛意識の高まりによる医療品や日用品の需要増加が期待されて買いが入っており、中でもサンドラッグは4.8%高と大きく上昇しています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は一時1,000円以上の大幅下落となりました。底値を当てることは不可能ですが、日経平均の25日移動平均線乖離率がマイナス9%に達するなどテクニカル的に売られすぎ水準まで売られており、一旦は反発してもおかしくないと思われます。ただ、ここまで大きく下落してしまうと一旦反発してもその後再び下値模索となる可能性も高いと思われるため、買いのチャンスとご判断されても、最初から多額の資金を投入するのではなく少しずつ買い下がっていく方針が望ましいのではないでしょうか。新型肺炎問題の収束が見えてこない限り本格的な反発は難しいと思われ、しばらくは忍耐が求められる相場が続くとみられます。非常にご不安に思われているお客様も多いかと存じますが、チーフ・ストラテジストの広木ほか、少しでもお役立ていただけるようアナリスト陣一丸となり情報配信に努めてまいりますのでご参考いただければ幸いです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)