東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は78円高の2万3479円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400なども上昇しましたが、東証2部指数やマザーズ指数は下落しました。日経平均は、前日の米国市場が上昇したことやドル円が111円台まで円安に振れたことを受けて265円高の2万3666円と続伸して寄り付きました。10時前に405円高まで上昇して高値をつけた日経平均でしたが、その後はじりじりと上げ幅を縮めて207円高の2万3607円で前場を終えました。一段と上げ幅を縮めて後場を迎えた日経平均は、小幅な値動きのなか膠着状態となり結局78円高の2万3479円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1810億円でした。

東証33業種は鉱業や輸送用機器、パルプ・紙などの21業種が上昇した一方で、小売業や鉄鋼、陸運業などの12業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が3.4%上昇したほか、ソニー(6758)やトヨタ自動車(7203)、任天堂(7974)、SUMCO(3436)、東京エレクトロン(8035)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)が上昇しました。中でもトヨタ自動車は、ドル円が111円台で推移しており同社の想定為替レートよりも円安となっていることなどから輸出採算の改善を期待した買いが入り2.8%上昇しました。その他マツダ(7261)やSUBARU(7270)なども上昇しています。

また、三井住友フィナンシャルグループ(8316)は横ばいだったほか、ファーストリテイリング(9983)やセブン&アイ・ホールディングス(3382)は下落しました。セブン&アイ・ホールディングスは本日午後に米石油精製会社のガソリンスタンド部門であるスピードウェイの買収に向けて独占交渉に入ったと報じられており、買収に伴う財務負担などが懸念されて8.8%下落しています。

その他材料が出たところでは、本日10時に総額535億円分の特別配当の実施を発表した前田道路(1883)が8.4%下落しました。前田建設工業(1824)から受けている敵対的株式公開買い付け(TOB)への対抗策として位置付けられているものの、TOB公表以降すでに買いが膨らんでいたこともあり利益確定の売りに押されたようです。一方で「unico」ブランドでオリジナル家具などを販売するミサワ(3169)は、19日に2020年1月期通期の業績予想の大幅な上方修正を発表したことが好感されてストップ高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は米国株高や円安進行を受けて大幅高でスタートしたものの、買い一巡後は上げ幅を縮める展開となりました。111円台まで円安が進んだわりには日経平均の上げ幅は案外だった印象で、やはり新型コロナウイルスへの警戒感は強いようです。本日は日経平均が長い上ヒゲをつけてしまっており、明日以降も上値が重い展開になる可能性がありそうです。

(マネックス証券 プロダクト部)