【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29196.04  ▼152.06 (1/21)
NASDAQ: 9370.81  ▼18.14 (1/21)

1.概況

米国市場は中国の新型肺炎の拡大懸念に加えてボーイング(BA)の大幅下落も重石となり反落となりました。79ドル安でスタートしたダウ平均は110ドル安程度まで売られたあと一旦下げ幅を縮めましたが、前日終値を前に上値が押さえられると午後に入って再び下げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に201ドル安まで下落する場面もあったダウ平均は結局152ドル安の29,196ドルと6日ぶりに反落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も18ポイント安の9,370ポイントと4日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーが2%近く下落したほか、資本財・サービスと素材も1%以上下げました。一方で不動産や公益事業など4業種が上げ、不動産は1%余り上げています。

4.個別銘柄動向

2度の墜落事故を起こした737MAXについて米当局が6-7月まで運航再開を承認しないと伝わったことでボーイングが3%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で70ドル以上押し下げました。また、米疾病対策センターが米国でも新型肺炎の感染者を確認したと発表したことで旅行・レジャー関連株が売られました。デルタ航空(DAL)が3%近く下げたほか、アメリカン航空(AAL)とユナイテッド航空(UAL)も4%以上下落しました。旅行予約サイトのブッキング・ホールディングス(BKNG)やホテルチェーンのマリオット・インターナショナル(MAR)も3%を超える下げとなっています。

一方で配車サービスのウーバーテクノロジーズ(UBER)が不採算事業のインドの食事宅配サービスを売却したと発表したことで7%高となっています。電気自動車のテスラ(TSLA)も目標株価の引き上げを受けて7%余り上げ上場来高値を更新しています。さらに取引終了後に決算を発表したIBM(IBM)が時間外で大幅高となっています。売上高が6四半期ぶりに増えたうえ、通期の1株利益見通しが市場予想を上回ったことが好感されました。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%低い1.77%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか昨日に220円近く下落した日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)