米ドル/円反発と「息継ぎ」の基本パターン

米ドル/円は、連休明けの1月14日110円の大台に乗せたものの、翌15日は反発も一服となった。これは、「米ドル/円の反発一相場は1.5~2円」という値動きパターンの影響が基本ということではないか。要するに、米ドル/円反発の「息継ぎ」ということだ。

過去半年の主な米ドル/円反発局面、6つのケースについて調べたところ、反発一相場の最大値幅は1.44~2.73円だった(図表参照)。また同値幅が2円を大きく上回ったのは6回中2回だった。以上を参考にすると、米ドル/円反発は1.5~2円程度で一巡するのが基本といえそうだ。

【図表】米ドル/円の日足チャート(2019年7月~)
出所:マネックス証券分析チャート

さて、先週1月8日、イランの対米報復を嫌気した形で米ドル/円は107.6円まで急落したが、懸念が後退すると急ピッチで反発が広がり、1月14日には昨年5月以来の110円台を回復した。そしてこの間の最大値幅は2.55円に達した。

これまで見てきたことからすると、今回一気に110円の大台に乗せてきた動きは、米ドル/円の反発一相場をオーバーシュートした可能性があった。そういった中では、株一段高といったリスクオンのさらなる強力な米ドル/円反発材料でもあれば別だが、基本的には米ドル/円反落材料に反応しやすくなっていた可能性があったのではないか。

ちなみに、2円を比較的大きく上回る米ドル/円反発となった昨年8月下旬から9月にかけてのケースでは、反発一巡後は1~1.5円程度の反落が起こった。これを参考にすると、今回の場合も一旦109円前後への反落があってもおかしくないのではないか。

振り返ると、米ドル/円は昨年8月104円から反発基調が展開してきた。ただこれまで見てきたように、反発一相場は2円前後で一息つくパターンを繰り返してきた。そのような見方をすると、今回の米ドル/円反発一服も、これまでのパターン通りの「息継ぎ」の可能性があるだろう。