52週MA109円の意味

米国とイランの緊張関係後退を受けて、米ドル/円は8日、109円以上に急反発した。このまま109円以上を維持できるかが、この円安が一時的か、それとも110円を超えていく継続的な円安かを見極める一つの目安だろう

109円という水準は、足元の米ドル/円52週MA(移動平均線)に相当する(図表参照)。じつは、米ドル/円は昨年11月末以降の6週間で4週、52週MAを上回った。経験的には、大きく、長く52週MAを上回る動きは継続的、つまりトレンドが展開している可能性が高く、逆に一時的な上昇は、52週MA前後までがせいぜい

【図表】米ドル/円と52週MA(2000年~)
出所:マネックス証券ヒストリカル・データをもとに作成

以上からすると、この1ヶ月半の米ドル/円の109円前後の値動きは、円安が一時的なのか、それとも110円を超えていく動きかを試しているとみることもできるだろう。経験的には、継続的な上昇、つまり上昇トレンドとして展開している場合は、52週MAを1ヶ月以上といった具合に「長く」上回ることが多かった。

これを参考にすると、今週以降も週末終値で109円を上回るようなら、「中東危機」などがある中でも円安は110円を超えていくトレンドとして展開している可能性が高まるだろう。逆に、週末終値が109円を下回る状況が続くようなら、「中東危機」などの影響もあり、一時的な円安はそろそろ終わりに近い可能性が高まるのではないか。