52週MAで考える
英ポンド/円が、52週MA(移動平均線)をすでに1ヶ月半と長く、最大5%程度と大きく上回ってきた(図表1の紫丸印)。このように、52週MAを「長く」「大きく」上回った動きは、2000年以降ではこれまで主に3回(図表1の緑丸印)あったが、いずれも英ポンド/円の継続的な上昇、つまり上昇トレンドが展開する中で出現した。その意味では、今回も英ポンド/円の上昇トレンドが展開している可能性が高いだろう。
【図表1】英ポンド/円と52週MA(2000~2019年)
ところで、上述の過去3回の英ポンド/円上昇トレンドでは、英ポンド/円は8ヶ月~6年程度で、10~60%程度上昇した。今回の上昇トレンドは、今年8月の126円程度から始まった可能性が高い。そうであれば、すでに10%以上の上昇となっているものの、まだ上昇期間は4ヶ月程度に過ぎない。
2000年以降の実績を参考にすると、英ポンド/円の上昇は、短くても8ヶ月以上続くとするなら、来年4月にかけて続く見通しになる。ではその中で、英ポンド/円はいくらまで上昇するのか。
2000年以降で調べたところ、英ポンド/円が52週MAを最も上回ったのは10%。足元の52週MAは139円程度なので、これを10%上回っても152円程度。今後52週MAは140円上回って上昇する可能性があるが、それでも当面半年程度では145円程度がせいぜいだろう。それを10%上回るとしても、160円を超えるのは簡単ではなさそうだ。
以上をまとめると、英ポンド/円の上昇トレンドは、来年4月にかけて続く可能性が高いが、そこまでの上昇は160円を超えない程度にとどまる可能性が高いといった見通しになるのではないか。