東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は60円安の2万3331円と反落しました。一方でTOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数などは上昇しました。先週末の米国市場が上昇したことを受けて、日経平均は30円高の2万3422円で寄り付きました。しばらく堅調に推移していた日経平均でしたが、為替がやや円高に触れると上げ幅を縮めて10時過ぎには下落に転じ、前場を47円安の2万3343円で終えました。後場に入ってからも50円程度安い水準で推移していた日経平均は、じりじりと下げ幅を広げて14時過ぎに68円安で安値をつけるとその後小幅に持ち直し、60円安の2万3331円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1814億円でした。

東証33業種は倉庫運輸関連やその他金融業、繊維製品などの18業種が上昇した一方で、建設業や石油石炭製品、非鉄金属などの15業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が1%下落したほか、キーエンス(6861)や武田薬品工業(4502)、資生堂(4911)、リクルートホールディングス(6098)、ファーストリテイリング(9983)が下落しました。一方トヨタ自動車(7203)やソニー(6758)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)は上昇しています。任天堂(7974)は変わらずでした。

材料が出たところでは、本田技研工業(7267)は8日2020年3月期業績見通しを下方修正し従来の営業増益予想から営業減益予想となったものの、概ね市場予想と同水準だったほか同日発表した自社株買いの実施が好感されて4.2%上昇しました。また、回転すしチェーンのスシローグローバルホールディングス(3563)が8日に2019年9月期決算が増収増益となったことや2020年9月期も増収増益を見込んでいることを発表し、成長持続が期待されて6.8%上昇しました。一方で8日に2019年1~9月期決算を発表したユニ・チャーム(8113)は、原材料費や物流費の高騰を受けてコア営業利益が10%減少したことや、大手証券が投資判断を引き下げたことが嫌気されて7.7%下落しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は利益確定売りに押されて下落しました。7日に中国政府が発表した米中双方による追加関税の段階的引き下げを米トランプ大統領が8日に否定したものの、米国市場は上昇して取引を終えており交渉進展への期待感がうかがえます。一方日本市場では本日寄り付き前に発表された9月の機械受注では設備投資の先行指標「船舶・電力を除く民需」の受注額が市場予想を下回るなど先行きは不透明と言えそうです。こうしたなか日経平均は5営業日ぶりに反落したものの下落幅は大きくなく、明日以降再び上昇できるかが注目されます。また、本日は引け後に博報堂DYホールディングス(2433)や凸版印刷(7911)、太陽誘電(6976)などが決算を発表しています。

(マネックス証券 プロダクト部)