東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は61円高の2万3391円と4日続伸して年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数なども上昇しましたが、マザーズ指数は下落しました。米国株高と円安を受けて219円高の2万3550円と続伸して寄り付いた日経平均は、9時半前に260円高と1日の高値をつけました。その後日経平均は高値警戒感からか一本調子で上げ幅を縮めるとマイナスに転じて一時16円安まで下落しました。やや持ち直して21円高の2万3352円で前場を終えた日経平均は後場に入ってからも小幅なプラス圏での推移が続くと引け間際にやや上げ幅を広げて結局61円高の2万3391円で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆1255億円でした。

東証33業種は精密機器や鉄鋼、輸送用機器などの20業種が上昇した一方で、化学や金属製品、不動産業などの13業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が2.8%上昇したほか、トヨタ自動車(7203)や武田薬品工業(4502)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、ソニー(6758)が上昇しました。一方で、資生堂(4911)やファーストリテイリング(9983)、任天堂(7974)、キーエンス(6861)、東京エレクトロン(8035)は下落しました。中でも資生堂は7日に発表した2019年12月期の見通しについて、為替動向や米中貿易摩擦を要因として売上高予想を下方修正したほか利益予想についても幅を持たせたことが実質的な下方修正と受け止められて8.3%下落しました。

そのほか材料が出たところでは、楽天(4755)が7日に発表した2019年1~9月期決算で、米リフトへの投資損失などを受けた最終損益が前年同期の大幅黒字から一転して赤字となったことが嫌気されて4.5%下落しました。一方で医療機器メーカーのテルモ(4543)は7日に2019年4~9月期の売上収益や営業利益がともに上期として過去最高となったことを発表し、13.4%上昇して上場来高値を更新しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は米国株高や円安進行を好感して上昇しました。中国商務省が米国との貿易協議で発動済みの追加関税を双方が段階的に撤廃する方針で合意したと表明し、貿易摩擦に対する懸念が後退しています。一方で米トランプ政権内では今後の交渉材料を失うことになると異論が出ているとの報道もあり、先行き不透明感が残っています。日経平均は4日連続で年初来高値を更新しており高値警戒感もある中で来週以降も上値を目指せるかが注目されます。また、本日は引け後に日本マクドナルドホールディングス(2702)やブリヂストン(5108)、本田技研工業(7267)などが決算を発表しています。

(マネックス証券 プロダクト部)