東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は106円高の2万2974円と7日続伸して年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども上昇しました。米国株高と円安進行を受けて日経平均は83円高の2万2950円と続伸して寄り付きました。間もなく141円高まで上げ幅を広げて2万3000円の節目を上回る場面もあった日経平均ですがその後は伸び悩み、107円高の2万2975円で前場を終えました。後場に入ってからは膠着状態のなかやや上げ幅を縮めた日経平均は、106円高の2万2974円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3278億円でした。
東証33業種はその他金融業や非鉄金属、精密機器などの28業種が上昇した一方で、空運業や電気・ガス業、陸運業などの5業種が下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が2.6%上昇したほか、任天堂(7974)やトヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が上昇しました。
中でもソフトバンクグループは、傘下のビジョンファンドを通じて出資している中国企業バイトダンスが2020年1~3月期にも香港取引所での新規上場を検討しているとの報道を受けて収益貢献が期待されて買われました。バイトダンスは世界に約5億人のユーザーを持つとされる動画投稿アプリ「TikTok」などを運営しています。また、任天堂は「ニンテンドースイッチ」の販売促進で以前より提携していた騰訊控股(テンセント)が「スーパーマリオブラザーズ」シリーズのスイッチ向けゲームソフトについて中国当局から認可を取得したことが好感され、一時3%以上上昇し終値でも2.1%高となりました。同様に中国当局から認可を取得したゲームソフト「モンスターハンター:ワールド」を手掛けるカプコン(9697)も3%上昇しています。
そのほか材料が出たところでは、自社株買いの発表が好感されてオリックス(8591)が4%上昇しました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日本市場は上昇しました。日経平均は一時節目の2万3000円を約1年ぶりに上回るなど堅調に推移しています。米中貿易協議の部分合意に向けた調整について米トランプ大統領が「計画より早く進んでいる」と述べたことや、英国のEU離脱について欧州連合側が今月末としていた離脱期限を2020年1月末まで延長することで合意したと伝わったことなどから、世界的な政治情勢に対する懸念が後退しています。連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合を控える中で明日も日経平均が上昇して終値で2万3000円回復となるかが注目されます。
(マネックス証券 プロダクト部)