【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26949.99  △14.92 (9/23)
NASDAQ: 8112.46  ▼5.21 (9/23)

1.概況

先週末の米国市場は、次官級の米中貿易協議が19日から再開されたものの中国の代表団が予定を早めて帰国すると報じられたことや、トランプ米大統領が米中の貿易協議について大統領選前に合意する必要性はないなどと述べたことなどから米中貿易交渉が進展するとの期待が後退し下落しました。ダウ平均は買いが先行し100ドル高近くまで上昇する場面もありましたが、昼過ぎに急速に上げ幅を縮めるとマイナスに転じ一時は168ドル安まで売られました。結局ダウ平均は159ドル安の26,935ドルと続落となり節目の27,000ドルを割り込んで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も65ポイント安の8,117ポイントと反落となっています。

昨日の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。欧州の冴えない経済指標を嫌気して取引開始直後に103ドル安まで売られたダウ平均ですが、米製造業PMIが改善したことを受けて持ち直すと昼前にプラスに転じその後は小幅高で推移しました。一時76ドル高まで買われる場面もあったダウ平均は引けにかけて上げ幅を縮めると結局14ドル高の26,949ドルで取引を終え3日ぶりに反発しています。また、売りが先行したナスダック総合株価指数も持ち直しプラス圏での推移が続きましたが、引けにかけてマイナスに転じると5ポイント安の8,112ポイントと続落となっています。

2.経済指標等

昨日発表された9月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.0と前月から上昇し市場予想も上回りました。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、一般消費財・サービスと情報技術が1%以上下落しました。一方でヘルスケアと公益事業、エネルギーの3業種が上げました。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や情報技術、一般消費財・サービスなどの7業種が上げました。一方でヘルスケアやコミュニケーション・サービスなどの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場では動画配信のネットフリックス(NFLX)が5%以上下げました。最高経営責任者(CEO)がウォルト・ディズニー(DIS)やアップル(AAPL)が動画配信市場に参入する11月以降の競争激化に言及したことで警戒感が広がりました。また、最高財務責任者(CFO)が退任すると発表したことで半導体大手のザイリンクス(XLNX)が7%近く下げています。

昨日の米国市場ではアメリカン・エキスプレス(AXP)が自社株買いと配当の引き上げを発表したことで1%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も目標株価の引き上げを受けて1%を超える上昇となっています。一方で株価が過大評価されているとの指摘を受けてネットフリックスが前日に続いて2%近く下げました。また、弱気の投資判断と目標株価を受けて代替肉のビヨンド・ミート(BYND)が4%を上回る下落となりました。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.06%低い1.72%となりました。また、昨日の長期金利は変わらずの1.72%となりました。ドル円は107円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日のダウ平均が小幅な反発に止まり先週末の下落を取り戻せなかったことや、ドル円も円高となっていることから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,000円を引けで維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)