東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は436円高の2万1085円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。香港で逃亡犯条例の改正案が正式に撤回されたことを受け昨日の米国市場が上昇したことを好感し日経平均は151円高の2万800円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も上げ幅を広げると10時半頃に米中が貿易協議を10月に実施すると報じられると一段高となりまもなく上げ幅は500円を上回りました。前場を481円高で終えた日経平均は後場に入っても堅調に推移すると結局436円高と大幅高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆4800億円となりました。

東証33業種は全業種が上昇しました。中でも精密機器、海運業、パルプ・紙、電気機器、機械、金属製品など景気敏感業種の上昇が目立ちました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)は下げたものの、ソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)、東京エレクトロン(8035)、トヨタ自動車(7203)、エムスリー(2413)、KLab(3656)、村田製作所(6981)、ファナック(6954)がいずれも上昇しました。米中の貿易交渉進展による景気改善期待からソニーや東京エレクトロン、村田製作所が4%前後の上昇となりました。その他にも景気敏感株の上昇が目立ち、アドバンテスト(6857)が6.6%高、太陽誘電(6976)が6.4%高、信越化学工業(4063)が4.7%高などとなりました。

また、日経平均採用銘柄の変更が発表され新規採用銘柄と除外銘柄で株価の明暗が分かれました。新規採用が決まったエムスリーが10%の大幅高となった一方で除外が決まった東京ドーム(9681)は8.4%の大幅安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

香港の逃亡犯条例の撤回や米中の貿易交渉進展期待といった外部環境の改善を受け日経平均は大幅高となりました。心理的な節目となりやすい2万1000円の節目を一気に回復するなどマーケットのセンチメントが大きく改善されたことが窺えます。こうしたなか本日の米国市場ではADP雇用統計やISM非製造業景況指数といった重要経済指標が発表されます。3日に発表されたISM製造業指数は3年ぶりに景気改善と悪化の節目となる50を割り込み株価下落のきっかけとなっただけに、非製造業指数の動向が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)