英ポンド/米ドル (1.1980〜1.2400)  8月1日〜8月6日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは!本日早朝の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通りの利下げが行われました。 直後のマーケットの動きはやや米ドル高の反応となり、パウエル議長の記者会見開始後は、さらに米ドル高株安の動きが加速。ユーロ/米ドルは年初来の安値を更新しました。

もしこのまま、米ドル高ユーロ安の流れとなるのであれば、年内中に1.0760付近まで下げる可能性が十分見えてきました。

通常は利下げによりその国の通貨は売られる傾向が強いのですが、今回はなぜドル買いとなったのでしょうか?

筆者も夜中に起きてチャートを見ていましたが、第1シナリオはドル売り目線だっただけに、買いポジションを決済しました。これから8月ということもあり、全般的にドル売り方向の1ヶ月になることも考えられます。

今回の10年半ぶりになる利下げは、米経済の落ち込みを阻止するためのものと言えるでしょう。

ここ数年の米経済は、金融緩和からテーパリング、利上げを行って堅調に景気回復から景気拡大を成功させてきました。しかし、このまま利上げを行うことで、逆に世界規模での景気後退の可能性が浮上しています。さらに貿易戦争絡みの懸念もあることから、今回の利下げとなりました。

株価の下落については、パウエル議長の発言が次の利下げには消極的であると市場参加者に受け取られたものと考えられます。数ヶ月以内に追加利下げを行う可能性を示唆したものの、具体的な回数や時期についての名言は避けました。

他方、英国ではボリス・ジョンソン氏が首相となり、今後のブレグジットのシナリオもいくつか見えてきました。ボリス氏に決定した際の市場はほぼ無反応となりましたが、翌日からは合意なき離脱の可能性も高くなったため、ポンド全面安の動きとなりました。

こうした状況から、当面英ポンド/米ドルは下落方向に動くと予測します。ポンド買いに転じる可能性は、ボリス首相がEUとの再交渉を取り付けた場合に考えられます。そのときは、一気にポンド買いの反応となることでしょう。

ボリス首相は昨日、就任後初めて訪れた英領北アイルランドで、同地域の主要5政党と会談しました。7月30日の夜には、親英強硬派の民主統一党(DUP)のフォスター党首と非公式の会談を実施しています。首相は自治政府の組閣に向けて、力の及ぶ限り支援すると表明しています。

首相の発言や行動によりポンド買いに転じるタイミングもあると思いますので、今後の動向にも注意が必要です。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。−2σまでゆとりあり。月が変わり、バンドも広がったため、このまま下がれば1.19台まで下落する可能性があります。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

ダウントレンド第1波バンドウォーク中。月足にゆとりがあるため、このまま下げる可能性もあります。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

ダウントレンド4波目形成中。上位足の状況から、もう少し下げる可能性もあります。
既に4波目ですが、一旦戻り目を形成した場面では、下位足で戻りが浅い中段保ち合いを形成するなら、素直に売り方向で攻めたいところです。

向こう1週間の重要指標です。

1日(木)
20:00 英・BOE金利発表/資産買取プログラム規模/金融政策委員会議事要旨
23:00 米・ISM製造業景況指数

2日(金)
8:50  日・日銀金融政策決定会合議事要旨
21:30 米・雇用統計

5日(月)
23:00 米・ISM非製造業景況指数

上記の分析からエントリーポイントとしては、以下のとおりです。

予想レンジ:1.1980〜1.2400

メインストラテジー:

<日足ベースシナリオとして>

買いをするなら
・1.1980〜1.2000の月足ダブルボトムを根拠にエントリー

売りをするなら
・1.2120近辺の1時間足中段保合いをブレイク後、短期足の戻り目でエントリー
もしくは、このラインまで戻ってきた場合はサポレジ転換を根拠にエントリー
・現在4時間足ではミドルライン反発のダウントレンド継続中のため、4時間足のミドルライン反発第3波スタートの戻り目タイミングでエントリー(価格未定)