【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26864.27 ▼333.75 (7/31)
NASDAQ: 8175.42 ▼98.20 (7/31)
1.概況
米国市場は継続的な利下げへの期待が後退し続落となりました。46ドル高でスタートしまもなくして83ドル高まで買われたダウ平均はFOMCの結果発表を午後に控え様子見となるなか上げ幅を縮めるとその後は前日近辺で小幅に揉み合う展開が続きました。しかし、FOMC後のパウエル議長の会見を受けて継続的な利下げへの期待が後退すると一気に下げ幅を広げ一時は478ドル安まで売られました。ダウ平均は引けにかけて下げ幅を縮めたものの結局333ドル安の26,864ドルで取引を終え続落となっています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も98ポイント安の8,175ポイントと3日続落となっています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を0.25%引き下げることを決めました。また、9月末に終える予定だった保有資産を縮小する量的引き締めも2カ月前倒しして終えることも決めています。しかし、FOMC後の会見でパウエル議長が今回の利下げは長期の利下げ局面の始まりではないと発言したことで継続的な利下げへの期待が後退する格好となっています。
また、7月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は44.4と前月から低下し上昇を見込んでいた市場予想も下回りました。4-6月期の米雇用コスト指数も前期比0.6%上昇に止まり市場予想を下回っています。一方で7月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は15万6000人増となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも生活必需品が2%近く下落したほか、素材と情報技術、一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、資本財・サービスも1%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもマイクロソフト(MSFT)が3%近く下落したほか、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とユナイテッドヘルス・グループ(UHN)、インテル(INTC)、コカ・コーラ(KO)も2%以上下げています。また、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)やビザ(V)、シスコシステムズ(CSCO)、ボーイング(BA)も2%近く下落しています。一方で決算が3四半期ぶりに増収となったアップル(AAPL)が目標株価の引き上げが相次いだこともあり2%高となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が7-9月期と2019年12月期の売上高見通しが市場予想に届かなかったことから急落し10%余り下げています。さらに取引終了後に決算を発表した半導体大手のクアルコム(QCOM)は決算で売上高が市場予想に届かなかったことから時間外で大きく下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い2.01%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が200日移動平均線(昨日時点で21,465円)や75日移動平均線(21,449円)を引けで維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)