東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は187円安の2万1521円と反落しました。昨日の米国市場で主要指数が下落したこと、またトランプ大統領がツイッターで中国を批判する投稿を行ったことで米中の貿易交渉が難航するのではとの警戒感が強まり日経平均は182円安の2万1526円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げると前引け前には233円安の2万1476円と1日の安値をつけました。前場を211円安で終えた日経平均は後場寄りからやや下げ幅を縮めましたがその後も軟調に推移し結局187円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は月末最終取引日ということもあって増加し2兆6650億円となりました。

東証33業種は医薬品、電気・ガス業、金属製品、保険業の4業種のみが上昇しました。一方で海運業や倉庫運輸関連、輸送用機器、水産・農林業などの29業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりましたが好決算を発表した銘柄には買いが集まりました。ソニー(6758)はスマートフォン向けのイメージセンサーなどが好調で第1四半期の営業利益が前年同期比18%増と好調だったことを受け、売買代金トップの商いを集めて5.3%高となりました。バンダイナムコホールディングス(7832)も3%超上昇したほか、第1四半期の決算が営業増益となったオンラインファッション通販のZOZO(3092)も11%の大幅高となりました。一方で第1四半期の営業利益が前年同期比10%減と冴えなかった任天堂(7974)が1.2%安となったほか、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、東京エレクトロン(8035)、村田製作所(6981)、キーエンス(6861)は下落しました。

その他材料が出たところでは、第1四半期の業績が大幅な増収増益だったM&Aコンサルティング会社の日本M&Aセンター(2127)が7.5%の大幅高となりました。一方で米国の女性用インナーウェア会社を最大約150億円で買収することを発表した国内女性用向けインナーウェア最大手のワコールホールディングス(3591)は、財務負担が嫌気されてか6%超の大幅安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

米中の貿易交渉難航への懸念などから日経平均は反落しました。今夜の米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表が行われます。市場では0.25%の利下げを実施する可能性が高いのではとみられていますが、何らかのサプライズがあるのかや今後の利下げについてどのような示唆が行われるか注目されます。本日で7月の取引が終了しました。日経平均は先月末から245円上昇し上げ幅はわずかながら3ヶ月続伸となりました。引き続き米中の貿易交渉の行方やピークを迎えつつある日本企業の決算発表、FRBの金融政策などが8月のマーケットの焦点となりそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)