【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27359.16 △27.13 (7/15)
NASDAQ: 8258.19 △14.04 (7/15)
1.概況
先週末の米国市場は利下げ期待の買いが続き主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。51ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして160ドル高程度まで上げ幅を広げた後上値が伸び悩みましたが、大きく押すことなく堅調に推移すると引けにかけて一段高となり243ドル高の27,332ドルとほぼ高値引けとなり前日に続いて史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も13ポイント高の3,013ポイントと終値ベースで初めて3,000ポイントに乗せこちらも連日で史上最高値を付けています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も48ポイント高の8,244ポイントと反発し10日に付けた史上最高値を更新しています。
昨日の米国市場は前日までの堅調な地合いを引き継ぎ小幅に続伸し前日に続いて主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。取引開始後しばらく前日終値を挟んで揉み合う展開が続いたダウ平均は昼前に売りが優勢になると小幅なマイナス圏での推移となりましたが、引けにかけて持ち直すと結局27ドル高の27,359ドルと4日続伸となり3日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も0.5ポイント高の3,014ポイントと5日続伸となりこちらも3日連続で史上最高値を付けています。さらにナスダック総合株価指数も14ポイント高の8,258ポイントと続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
12日に発表された6月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇し市場予想を上回りました。また、昨日発表された7月のニューヨーク連銀製造業景況指数も4.30となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、資本財・サービスが2%近く上昇したほか、一般消費財・サービスと素材も1%以上上げました。一方でヘルスケアと公益事業、不動産の3業種が下げ、ヘルスケアは1%を超える下落となりました。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や一般消費財・サービス、情報技術などの8業種が上げました。一方でエネルギーと金融、資本財・サービスの3業種が下げました。
4.個別銘柄動向
先週末の米国市場ではダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもダウ(DOW)が4%高となったほか、キャタピラー(CAT)も3%以上上げています。また、インテル(INTC)とスリーエム(MMM)も2%を超える上昇となりました。一方でジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が4%以上下げ下落率トップとなりました。米司法省がベビーパウダーに発がん性物質が含まれていたことを把握しながら公表しなかった可能性について捜査していると伝わったことが嫌気されました。
昨日の米国市場では製薬大手のギリアド・サイエンシズ(GILD)がベルギーのバイオ製薬のガラパゴス(GLPG)に50億ドルを追加投資し、10年間の共同研究・開発の提携を結んだと発表したことで3%近く上げました。ガラパゴスも急伸し17%以上上げています。一方でセキュリティーソフト大手のシマンテック(SYMC)がブロードコム(AVGO)への身売りを撤回したと伝わったことで急落し10%余り下げています。ブロードコムは1%高となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%低い2.12%となりました。昨日の長期金利は0.03%低い2.09%となっています。ドル円は円高に振れ107円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場はドル円が円高となっていることから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が200日移動平均線(先週末時点で21,588円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)