【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27088.08 △227.88 (7/11)
NASDAQ: 8196.04 ▼6.49 (7/11)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が上院での議会証言でも利下げに前向きな姿勢を示したことから続伸となり史上最高値を揃って更新しましたが、ナスダック総合株価指数は金利上昇を受けてハイテク株に売りが出て反落となりました。89ドル高でスタートしたダウ平均は210ドル高余りまで上げ幅を広げた後一旦上値が伸び悩みましたが、引けにかけて再び上げ幅を広げると結局227ドル高の27,088ドルとほぼ高値引けとなり、初めて27,000ドル台に乗せ3日に付けた史上最高値を更新して取引を終えています。
また、S&P500株価指数も6ポイント高の2,999ポイントと3日続伸となりこちらも3日に付けた史上最高値を更新しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6ポイント安の8,196ポイントと3日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.6%上昇し市場予想と一致しました。変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比2.1%上昇し市場予想を上回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万3000件減の20万9000件と悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しています。6月の米財政収支の赤字額は前年同月比88.7%減の84億7600万ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや金融、素材などの9業種が上げました。一方で不動産とコミュニケーション・サービスの2業種が下げ、不動産が1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
半導体のエヌビディア(NVDA)が投資判断の引き上げを受けて4%近く上げました。百貨店のディラーズ(DDS)も投資判断と目標株価の引き上げを好感して4%高となっています。医療保険大手のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)はトランプ米政権が高齢者向け公的医療保険など向けの医薬品のリベートを終了させる方針を撤回したと伝わったことで5%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で90ドル以上押し上げています。また、医療保険大手のシグナ(CI)も9%以上上げたほか、ドラッグストア大手のCVSヘルス(CVS)も5%近く上げています。
一方でメルク(MRK)が4%以上下げダウ平均構成銘柄以外で下落率トップとなり、ファイザー(PFE)も2%を上回る下落となっています。さらに家庭雑貨小売のベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)は決算が冴えず目標株価の引き下げが相次いだことで3%安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%高い2.14%となりました。ドル円は108円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日上回った200日移動平均線(昨日時点で21,593円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)