東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は110円高の2万1643円と反発しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は小幅に下落しました。昨日パウエルFRB議長が議会証言で早期の利下げを示唆したことを受け、米国市場が上昇した一方でドル円が円高に振れるなど強弱材料が入りまじる中日経平均は13円高の2万1547円と小動きで寄り付きました。日経平均は寄り付き後にわずかにマイナスに転じた場面がありましたがすぐに持ち直すとその後はプラス圏での推移となりました。ドル円はさらに円高が進みましたが日経平均は堅調に推移すると上げ幅を広げて前場を75円高で終えました。日経平均は後場に入っても高値圏で堅調に推移し結局110円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆7845億円となりました。

東証33業種はその他製品や鉱業、水産・農林業、倉庫運輸関連など28業種が上昇しました。一方で保険業や輸送用機器、証券商品先物、機械、非鉄金属の5業種が下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)、ファーストリテイリング(9983)、ソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)、NTT(9432)が上昇しました。中でも小型の携帯ゲーム機「ニンテンドースイッチライト」を9月に発売すると発表した任天堂は4%超の大幅高となりました。一方でトヨタ自動車(7203)、かんぽ生命保険(7181)、三菱UFJ(8306)、キーエンス(6861)はいずれも下げました。不適切な販売により金融庁が処分を検討していると報じられたかんぽ生命保険は6%超の大幅安となっています。

その他材料が出たところでは、日経平均株価の構成銘柄に採用されることになったバンダイナムコホールディングス(7832)はストップ高となりました。また、3-5月期の営業利益が前年同期比12%増と堅調だったファミレスのサイゼリヤ(7581)は8%超上昇しました。一方で第1四半期の営業利益が前年同期比で大幅な減益となった良品計画(7453)は2%を超える下げとなっています。

VIEW POINT: 明日への視点

パウエルFRB議長が早期の利下げを示唆したことで米国株高・円高ドル安となりましたが、本日の日本市場は円高には反応せず堅調な1日となりました。引き続き円高進行が警戒される中日経平均が2万2000円の節目に迫れるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)