【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26860.20  △76.71 (7/10)
NASDAQ: 8202.53  △60.80 (7/10)

1.概況

米国市場は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の緩和的な金融政策の必要性が高まっているといった議会での証言を受けて7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が高まり上昇し、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。ダウ平均は68ドル高でスタートするとまもなくして199ドル高まで上昇し一時は3日に付けた史上最高値(26,966ドル)を上回りました。その後ダウ平均は29ドル高まで上げ幅を縮めましたが、午後に入って持ち直すと結局76ドル高の26,860ドルで取引を終え4日ぶりの反発となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も60ポイント高の8,202ポイントと続伸となり、3日に付けた史上最高値(8,170ポイント)を一週間ぶりに更新しています。

2.経済指標等

6 月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では多くのメンバーが米経済のリスクが低下しなければ目先の利下げが必要となるとの見方を示していたことが分かりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、エネルギーとコミュニケーション・サービスが1%以上上昇しました。一方で金融と資本財・サービス、素材の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が2%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。エクソンモービル(XOM)も1%以上上げています。また、設備投資などに充てるための社債の発行計画を発表したマイクロン・テクノロジー(MU)が4%近く上げました。さらに電気自動車のテスラ(TSLA)も生産設備の拡大を準備していると伝わったことで4%近く上げています。通信・メディア大手のコムキャスト(CMCSA)も投資判断の引き上げを受けて2%近く上昇し上場来高値を更新しました。

一方で決算が大幅な減益となったことでジーンズのリーバイス(LEVI)が急落し12%安となりました。農機・建機のディア(DE)も投資判断の引き下げを受けて1%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの2.06%となりました。ドル円は円高に振れ108円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。ドル円が円高となるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)