東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は31円安の2万1533円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400も小幅に下げましたが、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は小幅に上げています。

昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで材料になりにくいなか日経平均は65円安の2万1499円で寄り付きました。本日の日本市場は今夜にパウエルFRB議長の議会証言が控えているとあって様子見姿勢が強まりこう着感の強い1日となりました。日経平均は寄り付き後に76円安まで下げ幅を広げましたがすぐに切り返すと10時頃にはプラスに転じ、一時は36円高まで上昇しました。ただし上値追いとはならずすぐに再びマイナスに転じた日経平均は前場を35円安で終えました。日経平均は後場に入ると昨日の終値近辺での推移が続き大きな値動きの出ないまま結局31円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9437億円となりました。

東証33業種は鉱業や精密機器、情報・通信業、水産・農林業などの7業種が上昇しました。一方で海運業、パルプ・紙、鉄鋼、化学などの26業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのファーストリテイリング(9983)やソニー(6758)、KDDI(9433)が上昇しました。中でもKDDIは2%を超える上昇となっています。一方で任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、東京エレクトロン(8035)、キーエンス(6861)は下落しました。

その他材料が出たところでは、旅行サービスなどを手がけるエイチ・アイ・エス(9603)による株式公開買い付け(TOB)実施が発表された不動産事業やホテル事業を手がけるユニゾホールディングス(3258)がストップ高となりました。エイチ・アイ・エスは財務負担が嫌気されてか4%超下げています。また、昨日第1四半期の決算発表を行った吉野家ホールディングス(9861)は9%近く上昇して年初来高値を更新しました。第1四半期の営業利益が前年同期の2億円近い赤字から10億円超の黒字に転じたことが好感されました。

VIEW POINT: 明日への視点

日本市場は今夜のパウエルFRB議長の議会証言を控えて様子見の1日となりました。パウエル議長が金融緩和に積極的な姿勢を示唆すれば米国株の上昇およびドル安圧力に、消極的な姿勢を示せば米国株の下落およびドル高圧力になりやすいとみられます。日本市場にとってはいずれにせよ強弱材料が入りまじる格好となる可能性がありそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)