株価は先週、悪材料が次々と消え去り、上昇を続けた。

S&P 500は6月28日(金曜日)から7月5日(金曜日)までの週間ベースで1.65%上昇した。過去5週間で4回目の上昇となり、株価指数は過去最高値を上回った。

投資家は、中国に対する関税引き上げを懸念したが、トランプ大統領が撤回したため、株価は急上昇した。また、景気減速を懸念していたが、その後、主要の経済指標が予想を上回っていることが注目された。

・7月1日(月):ISM製造業景気指数は、予想を下回り51.7となった。雇用や生産が増加する中でも、貿易は依然として大きな懸念材料となっている。

・7月3日(水):米雇用統計の先行指標とされるADP雇用統計は、予想以上に低下したとの見方を示した。

・7月5日(金):非農業部門雇用者数は予想16万人だったのに対し、22万4000人増加と予想を上回った。これは、米国人の再就職が増えたためだ。

一方、製造業が無視されていたことから、大幅な増加が見られた。

S&P 500チャートと移動平均線

その他、工場受注や民間部門の給与などの結果は予想を下回った。しかし、すぐに景気後退を指し示す指標はほとんどなかった。今週議会に出席したジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長にとっては、これが難題となる可能性がある(詳細は後述)。

リードするハイテク関連銘柄

投資家が成長銘柄への投資に戻ってきたことから、ソフトウェアメーカーやインターネット企業などのハイテク株が主導権を握った。年間で最も業績の良い産業であるソーラーは、3%以上上昇した。シービーオーイー・マーケッツ(CBOE)、ナスダック(NDAQ)、シーエムイー・グループ(CME)などの金融取引所は、引き続き実質的な上昇を続けた。

航空会社や不動産投資信託も上昇した。エネルギーは、先週、最も低迷していた主要セクターで、主な敗者となった。

また、世界的にも前向きな話題がいくつかあった。ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領が年金法案を可決する可能性を示唆したことで、iシェアーズ MSCI ブラジル・キャップト ETF (EWZ)は3.5%上昇した。マカオのゲーム収入が好調だったことから、ウィン・リゾーツ(WYNN)のようなカジノ運営会社を押し上げた。

半導体メーカーのブロードコム(AVGO)がサイバーセキュリティソフトウェアのシマンテック(SYMC)を買収する可能性があるとの報道を受け、15%も上昇した。ジェフリーズ・フィナンシャル(JEF)は、四半期決算が予想を上回ったことで、11%の上昇を記録した。あまり知られていない証券会社が、ウォール街の主要なプレーヤーから市場シェアを奪っているように見えることをご存知だろうか。

上半期に倍増した唯一のS&P 500銘柄である化粧品会社コティ(COTY)は、大規模なリストラ計画を明らかにし、指数を下落させた。ゲームソフトの制作・販売のエレクトロニック・アーツ(EA)は102ドル前後の抵抗圏からから2番目に大きな落ち込みとなった。

パウエル議長は何を語る?

今週の注目は、3日連続で行われるパウエルFRB議長の講演だ。

6月19日にさかのぼると、FRBは今月末に利下げが行われるというサインを発しているように思われた。
先週、非農業部門の人件費が堅調だったことから、エコノミストの中には、この見通しに疑問を呈する者もいた。

・7月9日(火):パウエルFRB議長は、寄付きの45分前に講演する。
・7月10日(水)と11日(木):パウエルFRB議長は下院と上院に出席し、両日とも現地時間午前10時から始まる。

その他、10日(水)には原油在庫とFOMC議事録が公開される。11日(木)には、新規失業保険受給申請と消費者物価指数。12日(金)には生産者物価指数が発表される予定。

ペプシコ(PEP)は9日(火)、デルタ航空(DAL)は11日(木)に決算を発表する。来週は4~6月期決算シーズンの始まりとなる。

 

(原文)
Stocks Begin July With a Bang as Fears Keep Getting Proven Wrong

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