世界最大の企業、アップル(AAPL)の株価が上昇し続けている。投資家たちが相場上昇のプラス要因を追い求めているからだ。

アップルは最高値を更新し、過去8週間のうち7週間上昇した。時価総額は1兆ドルを超えてきており、マイクロソフトの時価総額をわずかに上回っている。アップルは、フラッシュでハイエンドな携帯電話機として知られているが、安価なiPhone 11への強い需要が株価上昇の原動力となっている。

日本経済新聞で、サプライヤーからの注文を約10%増加させたと報じられた10月4日から株価上昇は始まった。これは、9月10日のアップルの新製品リリースに続くものである。誰もが新しいApple TV+サービスに注目していたが、CEOのTim Cook(ティム・クック)氏は、より安いバージョンのiPhone 11発売を大々的に発表した。

ウォール街は当時、ほとんど気づいていなかったが、値下げは需要をひきつけた。アナリストたちは、このiPhoneを買う人がどこからともなく出てくるにつれて、アップルを評価し始めている。

ここ数週間、Wedbush、Longbow Research、Bank of America、J.P. Morgan、Canascord Genuity、UBS、TF Securitiesなどの証券会社がアップルに対してポジティブな見通しを発表している。

アップルの日足チャート。移動平均線とポイントとなった個所(黄色)

より多くのユーザーがサービスを利用できるか?

アップルは、トリーミング・コンテンツ、ビデオゲーム、App Storeなどのサービスに注力しているため、ユーザー層が拡大している。これは、同社の重点成長分野の顧客数が増加することを意味する。

サービス収入は通常、製品よりも耐久性が高いと考えられているため、市場はより積極的に反応するかもしれない。もし、アップルがこの分野で成長を続ければ、アナリストらは、アップルはより高いバリュエーションに値すると主張するだろう。

これは、投資家がより高い株価収益率(PER)と株価売上高倍率(PSR)となることを喜んでいることを意味するかもしれない。比較のために書いておくと、アップルは現在、PERが約20倍、PSRは4倍となっている。

一方、マイクロソフト(MSFT)やフェイスブック (FB)などは、PERが27~31倍、PSRは8倍で取引されている。

注目高まる決算発表

10月30日(水)の決算発表後にアップルが決算発表を予定していることもあり、注目度が高まる可能性がある。株式トレーダーは、市場全体の最も流動性の高い銘柄の1つであるため、オプション戦略を模索したいと思うかもしれない。

最後に、2020年のアップルの陰にあるもうひとつの潜在的な材料は、5Gネットワークと超高速iPhoneの新ラインナップの登場である。詳細は不明だが、投資家はこれを長期的な材料とみている。

主要企業の時価総額(単位:百万ドル)(トレードステーションのRadarScreen®より)

結論として、アップルは2001年にコンピュータからMP3プレーヤーへ、そして2007年にはスマートフォンへと進化を遂げた。

経営陣がサービスに移行すると同時に、ユーザー層が拡大している。その後、5G端末へのアップグレードサイクルはさらに大きくなる可能性がある。

チャールズ・ダウ氏が述べたように、投資家は将来を展望し、将来の価格を予測している。いまや彼らは、歴史において、最も成功し人気のある株式のひとつであるアップルについて、肯定的なニュースを期待しているように見える。

 

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