【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26599.96 △73.38 (6/28)
NASDAQ: 8006.24 △38.49 (6/28)
1.概況
先週末の米国市場は米連邦準備制度理事会(FRB)によるストレステストで健全と判断された金融株が買われたことで上昇しました。取引開始直後に110ドル高余りまで上昇したダウ平均は買いが続かず上げ幅を縮めると小幅にマイナスとなりましたが、4ドル安で下げ渋ると持ち直し昼過ぎには111ドル高まで買われました。その後取引終盤に前日終値近辺まで上げ幅を縮める場面もありましたが引けにかけて持ち直し結局73ドル高の26,599ドルと4日ぶりに反発して取引を終えています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も38ポイント高の8,006ポイントと3日続伸となり節目の8,000ポイントを回復しています。
2.経済指標等
5月の米個人消費支出(PCE)は前月比 0.4%増となり市場予想と一致しました。また、変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比1.6%上昇し市場予想を上回っています。米個人所得も前月比0.5%増となり市場予想を上回りました。6月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も98.2と速報値から0.3ポイント上方修正され市場予想を上回っています。一方で6月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は49.7と前月から低下し2017年1月以来の50割れとなり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融とエネルギーが1%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ストレステストの結果を受けて自社株買いや増配などを発表した金融株が買われました。JPモルガン・チェース(JPM)やゴールドマン・サックス(GS)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、ウエルズ・ファーゴ(WFC)、シティグループ(C)などがいずれも2%を超える上昇となっています。また、半導体大手のウエスタンデジタル(WDC)が停電の影響で一部が操業停止中だった東芝メモリと共同運営する四日市工場が7月中旬までに生産を完全に再開する見通しとなったことで6%以上上げています。一方でアップル(AAPL)がデザイン部門のトップが年内に退任すると発表したことで1%近く下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.01%低い2.00%となりました。ドル円は円安に振れ108円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
先週末の米国株高に加え、米中首脳会談で貿易協議が再開されることになり対中関税第四弾の発動が先送りとなったことから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,500円を回復して一目均衡表の雲(21,557円)を抜けてくるような展開となるかがポイントとなりそうです。また、寄り付き前の8時50分には日銀短観が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)