【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26548.22  ▼179.32 (6/25)
NASDAQ: 7884.72  ▼120.98 (6/25)

1.概況

米国市場は冴えない経済指標やセントルイス連銀総裁の7月の0.50%の利下げを否定する発言などを嫌気して下落しました。ダウ平均は4ドル高と小幅に上昇してスタートすると24ドル高まで買われましたが、上値が伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ下げ幅を広げる展開となりました。120ドル安余りまで売られた後一旦持ち直す場面もありましたが午後に入って再び下げ幅を広げると取引終盤には200ドル安近くまで下落しました。結局ダウ平均は179ドル安の26,548ドルで取引を終え反落となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も120ポイント安の7,884ポイントと3日続落となり節目の8,000ポイントを割り込んでいます。

2.経済指標等

6月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は121.5と前月から低下し市場予想も下回りました。また、5月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比7.8%減の62万6000戸となり市場予想を下回りました。4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数も前年同月比2.5%上昇に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げました。そのなかでも情報技術が2%近く下落したほか、コミュニケーション・サービスと不動産、一般消費財・サービスも1%以上下げています。素材は変わらずでした。

4.個別銘柄動向

マイクロソフト(MSFT)が目標株価の引き下げを受けて3%を超える下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。食品のケロッグ(K)も投資判断の引き下げを嫌気して2%を上回る下げとなっています。また、住宅建設大手のレナー(LEN)が2019年6-8月期の受注見通しが市場予想を下回ったことや冴えない住宅関連指標を受けて6%以上下げています。

一方でバイオ製薬のアッヴィ(ABBV)が製薬のアラガン(AGN)を約630億ドルで買収すると発表したことでアラガンが買収価格にさや寄せする格好で急伸し25%以上上げています。アッヴィは買収負担が懸念され急落し16%以上下げました。後発薬のテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ(TEVA)もアッヴィによるアラガンの買収を受けて業界再編が加速するとの思惑から買われ7%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い1.98%となり2%を割り込みました。ドル円は107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で21,041円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)