東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は92円安の2万1193円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。

昨日の米国市場で主要指数がまちまちで支援材料に欠けるなか日経平均は47円安の2万1238円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後しばらくは昨日の終値を挟んだもみ合いとなり、小幅なプラス圏で推移する時間帯もありましたが10時ごろからドル円が円高に振れたことが嫌気されマイナスに転じると下げ幅を広げました。前場を44円安で終えた日経平均は後場に入ってさらに下げ幅を広げるとドル円が106円台をつけたことも嫌気され、13時半頃から一段安となりました。一時は171円安まで下落した日経平均は引けにかけてやや値を戻しましたが結局92円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆7305億円と昨日からは増加したものの薄商いが続いています。

東証33業種はパルプ・紙や倉庫運輸関連、陸運業、保険業、食料品などの9業種が上げました。一方で鉱業や証券商品先物、電気・ガス業、石油石炭製品などの24業種が下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)は横ばいでしたが、ソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)、JT(2914)、トヨタ自動車(7203)、東京エレクトロン(8035)、楽天(4755)がいずれも下落しました。中でもソニーは2%超、東京エレクトロンは3%超下げています。一方でキーエンス(6861)と武田薬品(4502)は上昇しました。

材料が出たところではニトリホールディングス(9843)が2.5%高としっかりでした。6月の既存店売上高(20日締め)が前年同月比5.9%増と好調だったほか、円高進行が業績のマイナスになりづらい銘柄として買われやすかったとみられます。また、第1四半期の決算で大幅な営業増益となったパルコ(8251)も4%近く上昇しました。

VIEW POINT: 明日への視点

ドル円が106円台をつけたことが嫌気され日経平均は反落しました。今夜の米国市場ではパウエルFRB議長の講演が行われます。トランプ大統領がパウエル議長の解任をちらつかせるなど金融緩和実施に向け圧力をかけているような状況にあるなかで、講演のなかでどの程度今後の利下げについて踏み込んだ発言を行うか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)